武富士の責任を追及する全国会議

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意見表明

不当判決に対する広島弁護団声明

平成25年5月8日

平成22年10月31日の武富士会社更生開始決定を受け、平成22年10月30日「武富士の責任を追及する全国会議」の呼びかけで、平成23年6月30日以後、40都道府県2739人の原告が17地裁1支部に合計63億4000万円の損害賠償を請求しています。

広島でも平成23年6月30日全国一斉提訴以後5次にわたり、合計146名(福山 広島市 三原 呉 尾道市 安芸郡 竹原市 岡山 三次市 東広島 庄原市 廿日市市 安芸高田市 江田島市 愛媛県)が武富士元代表取締役社長被告武井健晃、清川昭、近藤光3名に対し、会社法429条(改正前商法266条の3)に基づく取締役の第三者に対する損害賠償 合計2億1355万6935円を求めて提訴し、民事第3部で審理を受けてきました。

被告らに会社法429条(改正前商法266条の3)の責任が認められるかが争点となり、同条の責任が認められるための要件は、①取締役等としての会社に対する任務懈怠(任務を怠ったこと),②任務懈怠についての悪意又は重過失,③第三者の損害の発生及び額,④任務懈怠と損害との因果関係であり、弁護団は,武富士取締役の任務懈怠の具体的内容について,「利息制限法を遵守せず,かつ,みなし弁済を成立させる等の過払金の発生増大を避けるなど取締役の会社に対する善管注意義務を一切怠った結果,会社において,多額の過払金返還債務を負担するという全体財産の損害を生じさせたことが任務懈怠だと主張しました。

被告(取締役)ら弁護士は,弁護団主張との関連が全く不明な,取締役の第三者に対する引き直し計算義務が存在しないという主張ばかりして,取締役の会社に対する善管注意義務の内容について全く反論しません。

そこで,弁護団は被告らが主張する「引き直し計算義務」の会社法429条(改正前商法266条の3)における位置づけが不明確であるとして,主張整理案まで提出し,裁判所に対し、要件事実に基づく法的主張の整理をするように求めました。

東京地裁ではこれまで第7陣まで提訴され、原告側が請求した武富士元支店長(いずれも広島県在住)2名の尋問が、7月5日(金)午後1時半から東京地裁606号法廷でおこなわれることになり、被告健晃尋問の採否については、5月15日の弁論で採否が決定される予定です。
原告からの武富士の取締役会議事録,常務会議事録,監査役会議事録の送付嘱託申立てが採用され,取締役らの任務懈怠立証にとって重要な武富士の取締役会議事録,常務会議事録,監査役会議事録の開示がなされる予定となっています。

被告ら代理人弁護士から利息制限法制限利率「引き直し計算義務」という概念が主張されていましたが、「引き直し計算義務」の会社法429条(改正前商法266条の3)における要件事実上の位置づけが全く明らかでなく、裁判官らがこの点について争点整理をせず、またこの点の整理もしないまま審理を終結する恐れがあったため,昨年9月12日付で主張整理案を提出し,裁判所に対し、主張の整理を求めました。 
 
しかし,裁判官は、同月26日の弁論準備手続期日にも,主張の整理をしないまま弁論準備手続を終結しようとしました(終結されてしまうと、被告ら取締役や原告らの尋問をする機会も与えられずに裁判が終わってしまいます)。
そこで、裁判官に対し、弁論準備手続を終結しようとする理由について質問をしましたが、裁判官は「判決でお示しします。」と答えただけで,終結する理由を述べようとしなかったため、忌避申し立てをおこないました。

本日の判決はこのような経緯で、原告被告の主張整理、証人尋問、書証取調べなど実質的な審理を尽くさず下されたものであり、このような形式的司法判断は責任の所在から目を背けるものであり許されません。

原告らは今後、控訴審で実質的判断を求めていく所存です。

☆日本保証の時効債権の取立を糾弾し、訴訟手続の改善を求める決議

全国クレジット・サラ金問題対策協議会は、武富士の会社更生に関し、12日大阪市で開いた新年総会で表記の決議をした。
全文は以下のとおり。

「サラ金大手の武富士は、平成22年10月、200万人超の過払い顧客を抱えながら会社更生手続を申し立てた。
同更生手続においては、91万人超に対する1兆3800億円超もの過払金が、わずか3.3%しか弁済されていない。
そして、この弁済金の一部に充てるため、武富士の貸付債権は日本保証に売却された。日本保証とは、商工ローン大手のロプロ(旧社名・日栄)を承継した会社である。
つまり、武富士の元顧客のうち、過払いとなっていた者は、ほとんど全ての過払金を踏み倒され、一方、貸付金が残っていた者は、武富士から債権を承継した日本保証の厳しい取立を受けているという状況にある。

日本保証の請求は過酷である。
すなわち、日本保証は、武富士から承継した貸付債権につき、債務整理に関する日弁連統一基準も無視し、訴訟を提起するなどして、利息・損害金を含めた元利全額の一括支払いを強行に求めている。
さらに、日本保証は、消滅時効期間を経過している債権につき、執拗に一部弁済を求め、一部弁済がなされるや、時効援用権の喪失を主張し、一括弁済を強行に求めたり、訴訟を提起したりしている。
なかには、顧客が返済をしていないにもかかわらず、返済があったかのような取引履歴に基づき、時効の主張を封じたうえで請求を行っているのではないかとの疑惑が呈されている事案すら報告されている。

また、日本保証は、全国各地の債務者に対する訴訟を、東京簡易裁判所または大阪簡易裁判所に集中して提起している。
地方在住の債務者が東京または大阪の裁判所における審理に実質的に関わっていくことは極めて困難である。
そもそも、大阪簡易裁判所に管轄が生じたのは、たまたま貸金債権が大阪に本店のある日本保証に譲渡された結果に過ぎず、債務者が武富士と取引を開始したときには予想だにしなかった事態である。
かかる管轄の問題もあり、東京簡易裁判所及び大阪簡易裁判所においては、債権者を日本保証とする訴訟において欠席判決の山が築かれている。このような欠席判決の中には、消滅時効により支払を免れ得た債権も多数含まれているものと思われる。

こうした日本保証による時効債権の請求は、債務者が時効援用権及び訴訟手続に関して知識と経験が乏しいことに乗じた、悪質な取立行為である。
よって、私たちは、このような日本保証の悪質な取立行為に断固として抗議する。

そして、私たちは、かかる日本保証による取立行為の横行を防止すべく、日本保証による訴訟が多数係属する東京簡易裁判所及び大阪簡易裁判所に対し、以下の事項を要請する。

1 日本保証が消滅時効期間を経過した債権につき、貸金請求訴訟を提起したときには(支払督促の申立ても同様)、これを受け付けない運用とすること。

2 日本保証による提訴がなされたときには、被告である債務者の住所地を管轄する裁判所に移送決定をすること。

3 被告である債務者の実質的な防御権を保障するため、訴状の送達にあたり添付する答弁書のひな形に、移送申立を求めること及び消滅時効を援用することについてのチェックボックスを設けること。

全国クレジット・サラ金問題対策協議会(代表幹事 弁護士 木村達也)発行
多重債務・貧困対策NEWSNo.1   2013.1.13 より。

武富士と武井家の責任を徹底追及する決議

消費者金融大手の武富士が平成22年9月28日、東京地方裁判所に会社更生手続を申し立てた。
武富士は、わが国消費者金融の草分けであり、常識を逸脱した営業方針で業績を拡大、業界の盟主としてサラ金業界に君臨してきた。
武富士の経営実態は、まさに「高金利」、「過剰融資」、「過酷な取立」という「サラ金3悪」を具現化したものであり、数々の社会問題を引き起こしつつ、多重債務被害を拡散させてきた。
また、武富士は、一部上場企業となるや、派手なコマーシャルでマスコミを牛耳り、他方、武富士に批判的な報道がなされるや、高額の名誉毀損訴訟を提起して、批判を封じ込めようとしてきた。

武富士は、違法取立により数度の行政処分を受けている。
また、平成15年12月には、当時同社会長であった創業者武井保雄が盗聴事件で逮捕され、平成16年11月には法人としての武富士についても有罪判決が言い渡されている。
平成18年9月には、武富士に批判的な報道を封殺するために高額の名誉毀損訴訟を提起したことが不当訴訟に当たるとして損害賠償を命じられている。

こうした問題企業に延命を許してはならない。
そもそも、過払債権は、多重債務者が苦心惨憺して支払ってきた末に発生した債権であり、貴重な過払金は、多重債務からの脱出や生活再建などの原資として有効に使われなければならないものである。
武富士は、その貴重な過払債権を切り捨て、いわば自社のロンダリングを画策している。

また、武富士が従業員に過酷なノルマを課していたため、武富士の従業員は、貸付ノルマを達成するために顧客に過剰融資をし、回収ノルマを達成するために違法・不当な取立てをするということが常態化した。
違法な業務実態の中で、武富士の顧客らは、武富士から、返済能力を超えるほどの過剰な貸付を受け、その貸付金に対応する高利の支払を余儀なくされ、違法・不当な取立を受けることを恐れて、利息制限法計算上、債務を完済した後も、義務のない支払を免れることができず、その結果、武富士には、莫大な不当利得(過払金)が蓄積する結果となった。

そして、亡武井亡保雄氏は日本有数の大資産家となり、利息制現法を大幅に超える利息収入によって獲得した巨額の富が、亡保雄氏の相続人らに残された。
借主が、食べるものも食べず、教育費も削り、税金も払えず、健康保険料も払えず、病気になっても病院にも行けず、場合によっては自ら命を絶つというような悲劇が繰り返されてきた。
この結果、武富士の創業家・武井家に莫大な資産が蓄積されたということである。

こうした武富士の違法経営を陣頭指揮してきたのは、武富士の創業者であり、その跡を継いだ創業家の武井健晃らであり、同社の取締役らである。
とすれば、それらの者たちの法的責任が厳しく追及されなければならない。

武富士の創業家(武井家)や取締役らに対する損害賠償請求訴訟を、いま、全国18地裁1支部において、約2700人が闘っている。
この裁判の本質は「弱者踏みにじり」を許さないというところにある。
つまり、「高金利」「過剰貸付」「過酷な取立」で顧客を苦しめ違法収益を享受してきた武富士が会社更生で過払金のほとんど全てを踏み倒し、一方、そうした武富士の違法営業を主導しそれを私利の源泉として大富豪に成り上がった武井家がいまだに莫大な私財を貯め込んだままでいるという、強欲資本家のやり放題逃げ得を許さないための裁判である。
また、武富士の違法営業によって人生の大切な時間や場合によっては親族の命を奪われた被害者たちが、創業家の法的責任を追及することを通じて気持ちの区切りをつけて自らの尊厳を取り戻す闘いでもある。

多数の過払債権者たちが、いま、武富士の会社更生と、創業家や元取締役らのこれまでの任務懈怠に怒りを覚え、ともに立ち上がっている。
武富士の被害者たちは、公明正大な法律的決着を切望している。そうでなければ、全国の被害者は救われない。

そこで、私たちは決議する。
この裁判闘争を必ずや勝ち抜き、武富士と武井家の責任を徹底追及することを。

平成24年10月27日

第32回 全国クレジット・サラ金・ヤミ金被害者交流集会in北海道
第9分科会 参加者一同

札幌弁護団:意見陳述

平成24年(ワ)第520号 損害賠償請求事件
原告      外71名
被告 武井健晃 外2名

意見陳述

平成24年9月13日

札幌地方裁判所民事第3部合議係 御中

頭書事件の第1回口頭弁論期日にあたり、原告ら訴訟代理人弁護士を代表して、下記のとおり意見を述べる。

上記原告ら訴訟代理人
弁護士  山崎 俊彦


1、本件は、大手サラ金業者の武富士の元経営者である被告らが、日常的に利息制限法や旧貸金業規制法を遵守してこなかったばかりか、司法判断にもとづく過払金返還問題を放置し、様々な社会問題を起こすという、誤った経営判断を続けた結果、武富士を倒産させて莫大な被害を発生させたことに対する責任追及訴訟である。

2、武富士は、平成2年1月12日の旧貸金業規制法の厳格な適用を求めた最高裁判決以前からも、まともに同法43条のみなし弁済の主張をしてこなかった。
過払債権者から過払金請求訴訟を提起された際には、答弁書において「みなし弁済の主張をする」と主張することがあっても、それ以上の具体的な主張や立証をしてこなかった。
上記の最高裁判決もあって、武富士は、みなし弁済の主張が認められる余地がなくなったことを自覚し、形だけ「みなし弁済の主張をする」と答弁するだけで、本気でこれを争わなかったのである。
当然、みなし弁済を認める判決が出されることはなく、武富士は、最終的に法定利率計算による和解に応じたり、提訴前の訴外示談をしていた。われわれが知る限り、武富士のみなし弁済を認めた判決は皆無であった。
ただ、武富士は、弁護士介入事案においてだけは、それが未払い事案であれ、過払い事案であれ、法定利率計算にもとづいた適法な処理をしていた。
それは、武富士ひいて被告ら経営陣が、司法の場でもうみなし弁済の主張はできず、介入弁護士とは、その正しい司法判断にもとづく利息制限法に則った正しい計算をしなければならないと悟ったからであった。
このように、司法の場でみなし弁済の主張が通らないことを知り、まともにみなし弁済の主張をしてこなかった以上、武富士の貸金取引に、「万一みなし弁済の主張が通るかも知れない。判決をみるまで分らない」という意味での“グレーゾーン”は存在しなかった。

3、しかし、この司法判断にもとづいた処理は、弁護士介入事案の限りに行われたに過ぎなかった。
武富士は、日常の取引では、この司法判断を無視し、蔑ろにして利息制限法を順守しない高額な約定利息を取り続けていた。
その理由は、弁護士介入によって法定利率に引き直し計算を強いられた案件が全取引のうちの僅かな数でしかなかったし、その限りにおいて金銭を返還すれば良かった。
その余の弁護士介入がない多数の取引で、旧貸金業規制法やこれについての裁判所の司法判断を知らない素人から、これに反した法外な利息を得ることによって法外な利益を得ることができたからである。
こうして、武富士は、司法判断を無視し、蔑ろにする経営方針をとり、事業を拡大させていったのである。
それは、全取引について弁護士介入があることを予定しない危い経営であったことは、後日の倒産した事実が証明していた。
しかも、武富士は、誤って受領していた約定利息名目の、過払金となるべき金銭を、将来の弁護士介入に備えて社内留保することなく、これが確定した営業利益として扱い、社内で勝手に費消してしまっていた。
この司法判断の無視、司法判断を蔑ろにした取引実態と司法判断に反する社内債権管理体制によった経営は、全く被告らによる営利目的の経営判断にもとづいていた。
そのため、武富士は、他のサラ金業者にも増して莫大な営業利益を手にすることができ、株式上場を果たすことができていた。
しかし、それが確固たる司法判断に反した結果のうつろな営業利益であったため、後日に過払い請求が相次ぐ事態に陥ると、返還のための手持資金不足を理由に会社を倒産に至らせ、救済を裁判所に求めざるを得なくなった。

4、武富士が倒産した真の理由は、このように、みなし弁済が司法の場で通用しないことを承知していながら、弁護士介入事案だけに限って法定利息計算による処理をするという司法無視、司法判断を蔑ろにする日常的経営方針をとり、この法理を知らない素人の顧客を騙して、違法な約定利息を取り続け、それを営業利益として費消させてしまい、後日の弁護士介入時の返済用として社内留保させてこなかったことにあった。

5、一方、利息制限法は年利15~18%の利息を認めていたが、商法規定の利息は年6%であり、民法のそれは年5%であった。
世上、銀行の貸出し金利は年3~4%で、預金金利が0.01%であった。それなのに、武富士には、年15~18%もの高率の利息収入が認められていたのである。
それによる莫大な利益を認められていながら、武富士を敢えて倒産させてしまったのは、被告らに明らかな経営判断の誤りがあったとみざるを得なかった。

6、かかる確固たる司法判断の無視、内部管理体制構築義務違反、誤った債権管理を続けた結果、武富士は空前の利益を挙げ、東証一部上場を果たし、役員であった被告らは過払金として返還すべき金銭を含む法外な報酬を得ていたのである。
他方、原告らは、本来支払う必要がない約定利息の支払いを求められ、自らの生活を犠牲にしてその返済を続けさせられてきて、その結果、武富士が倒産した現在、自らが支払った筈の過払金の返還を受けられない状態に置かれている。

7、本件は、このような被告らの司法判断の無視、司法判断を蔑ろにした放漫経営、違法経営によって泣かされた原告らによる、違法な利益を得た被告らに対する、自分のお金を取り戻す意味をも有する訴訟である。
御庁におかれて、これまで多数出され積み重ねられてきた確固たる司法判断を無視し、蔑ろにして武富士の経営を続けてきた被告らに対して、改めて厳正な司法判断を示して戴きたいのである。

以上

☆貸金業法・利息制限法の改悪に反対する決議=改悪を許さず

多重債務・貧困対策NEWSNo.12   2012.7.8
発行 全国クレジット・サラ金問題対策協議会(代表幹事 弁護士 木村達也)


☆貸金業法・利息制限法の改悪に反対する決議=改悪を許さず

全国クレジット・サラ金問題対策協議会、全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会の主催により7日仙台市で開かれた緊急集会「貸金業法の改悪を許さない!」の参加者一同は、表記決議を採択した。
全文は以下のとおり。

「現在、一部の国会議員が『利息制限法の制限金利を年30%に引き上げ』『貸金業法の総量規制の撤廃』を骨子とする貸金業法・利息制限法の改悪を図ろうとしている。
すでに自民党『小口金融に関する小委員会』では、その趣旨の改悪案をとりまとめた。
民主党内でも、同様の改悪案を党内で取りまとめようとする一部国会議員の動きが急である。
それらは連携して今次国会での議員立法を目論んでいるものと思われ、情勢は極めて危険である。

しかし、利息制限法は、明治以来わが国法制度における暴利禁止の重心をなしてきた。
出資法の罰則金利は年109.5%から利息制限法の水準に向けて段階的に引き下げられ、約50年をかけて、改正貸金業法の完全施行により利息制限法の年20%の水準に一致するに至った。
今ここで逆行して、制限金利を年30%に引き上げることに何らの歴史的正当性はない。
貸金業者に特別の利潤を保障するための改悪にほかならない。

そもそも現行貸金業法では、個人事業主に対しては総量規制の『例外貸付け』が認められている。
A4版1枚で『事業・収支・資金計画』を提出し、返済能力ありと認められれば、簡易迅速に、年収3分の1を超える借入れも可能である。
その実際の利用状況を見れば、『小口・高利』の資金需要は頭打ちである。
総量規制を撤廃することに、何らの社会的根拠はない。
貸金業者のビジネス・チャンスを創出するための改悪にほからならない。

2006年の第165会国会において全会一致で成立した貸金業法は、多重債務問題の原因である高金利・過剰与信・過酷な取立てを根本から規制するために、上限金利引下げ・総量規制などを定めた。
のみならず、2007年に多重債務問題改善プログラムを決定し、既存の多重債務者の救済・サラ金に頼らない安全な資金供給を実現するため、公的制度や社会的連携を構築してきた。
その官民挙げての取り組みの結果、多重債務者は減少し、自己破産、借金苦による自殺、ヤミ金融被害も確実に減少しつつある。
しかし、多重債務問題の解決は、いまだ道半ばである。
今ここで問題の根元にある金利規制や総量規制を緩めれば、多重債務問題が再燃することは明らかと言わねばならない。

一部国会議員が強行しようとする貸金業法・利息制限法の改悪は、貸金業者や貸金業に投資している一部の人たちの目先の利益のために大きな害悪を国民に及ぼしかねない、危険な『制度いじり』である。
4このような改悪案が、国政に責任のある政党の政策として認められてはならない。
各党の機関、責任者の良識ある判断を求めるとともに、私たちは、これ以上このような改悪の動きを繰り返させないため、断固たたかっていくことを宣言する」。

☆民主WT案に猛反発 ☆緊急集会 「貸金業法の改悪を許さない!」

多重債務・貧困対策NEWSNo.11   2012.7.5
発行 全国クレジット・サラ金問題対策協議会(代表幹事 弁護士 木村達也)


☆民主WT案に猛反発 高利・多重債務被害の再来招く改悪

民主党が、党内に財務金融部門会議「改正貸金業法検討ワーキングチーム(WT)」(座長・桜井充議員、事務局長・網屋信介議員)を設け、消費者金融等の金利引き上げなどを検討していることに対し、高金利被害者団体や市民団体から猛反発の声が上がっている。
民主党WTでは、消費者金融等貸金業者への規制を強化した改正貸金業法(平成22年6月完全施行)を「再改正」し、中小・零細事業者向けの短期貸し付けの上限金利を現行の年利15~20%から年利30%程度に引き上げることや、年収の3分の1に規制されている貸付上限額に対する規制(総量規制)を廃止することが検討されている。

WT事務局長の網屋信介議員は、商工ローン「NISグループ株式会社」(旧ニッシン、民事再生中)の元代表取締役社長。
今回の貸金業法「再改正」の動きは、こうした貸金業界寄りの議員がリードしているとも見られている。

これに対し、市民団体は猛反発。「貸金業法の完全施行により、多重債務被害は明らかに減少した。自己破産件数も大幅に減少し、また一部で懸念されていたヤミ金被害も減少している。政府における多重債務改善プログラムと相まって、貸金業法の完全施行は極めて順調に成果を上げている。これを『再改正』する必要性はない。そのような『再改正』がされれば、再び高利貸がはびこり、多重債務被害が再び広がることになる」(多重債務被害救済の支援団体)。

☆緊急集会 「貸金業法の改悪を許さない!」 クレサラ対協

全国クレジット・サラ金問題対策協議会(クレサラ対協)と全国クレジット・サラ金被害者連絡協議会は、7日午後5時から、仙台弁護士会館(仙台市青葉区一番町2-9-18)で表記集会を開く。
民主党「改正貸金業法検討ワーキングチーム」や自民党「小口金融に関する小委員会」などで検討されている、貸金業法「再改正」に反対する集会。

クレサラ対協は、「制限金利を年30%に引き上げることに何らの歴史的正当性はない。貸金業者に特別の利潤を保障するための改悪にほかならない。総量規制を撤廃することに、何らの社会的根拠はない。貸金業者のビジネス・チャンスを創出するための改悪にほからならない。各党の機関、責任者の良識ある判断を求めるとともに、これ以上このような改悪の動きを繰り返させないため、断固たたかっていく」などとしている。

☆院内集会 「改正貸金業法の成果を検証する-利息制限法の改悪を許さない!」

日本弁護士連合会は、19日正午から、「参議院議員会館1階101室」で表記集会を開く。
基調報告、柴田武男教授(聖学院大学)による特別報告、義本みどり氏(兵庫県但馬県民局但馬消費生活センター消費生活相談員)による「現場からの報告」、国会議員からの発言などを予定している。

要申込 http://www.nichibenren.or.jp/event/year/2012/120719.html まで。

横浜弁護士会・会社更生事件の運用に関する意見書

第1 意見の趣旨

東京地方裁判所民事第8部が会社更生事件において運用上採用している、旧経営陣の一部を管財人に選任する、あるいは会社更生の申立てを行った弁護士を管財人に就任させるタイプの会社更生手続は、いわゆるグレーゾーン金利で営業をしていた消費者金融業者が申し立てた場合など、更生会社において旧経営陣の責任の有無を吟味する必要がある場合には、採用するべきではない。

第2 意見の理由

1 近時、東京地方裁判所民事8部は会社更生手続において、旧経営陣の一部を管財人に選任し(いわゆるDIP型会社更生)、あるいは会社更生の申立てを行った弁護士をそのまま管財人として横滑りに就任させる方式を広く採用している。
たしかに、会社の実情をよく知る旧経営陣、あるいは会社更生手続の申立てを行った弁護士がそのまま管財業務を行うことは、手続きを円滑に進める上ではメリットがあるとされている。
しかし、旧経営陣の一部を管財人に選任すれば、旧経営陣に対する責任追及が十分になされない恐れがあることは自明であろう。
現に、東京地方裁判所も、いわゆるDIP型会社更生の運用基準として、①現経営陣に不正行為等の経営責任のないこと、②その他経営陣の経営関与によって会社更生手続の適正な遂行が損なわれるような事情が認められないこと等を運用上の要件とすることを発表している。
また、会社更生の申立てを行った弁護士がそのまま管財人になる場合、会社更生手続の中で旧経営陣に対する責任追及を適切に検討することは到底期待しえない。
すなわち、会社更生の申立てを行う弁護士は、会社の破綻に至る原因を聴取・調査するにあたり、旧経営陣から信頼関係に基づく協議を受けるのが通常であり、そのような弁護士が管財人に就任し、旧経営陣に責任を追及することは、弁護士職務基本規定27条2号(信頼関係に基づくと認められる協議をした者を相手方とする事件の受任の禁止)との関係から問題がある。
結局、会社更生の申立てを行った弁護士は、管財人に就任したとしても、旧経営陣に対して適切に責任追及をできない構造にあるのである。

2 とりわけ、いわゆるグレーゾーン金利を用いて営業していた大手消費者金融業者が会社更生を申し立てた際も、裁判所がDIP型会社更生を採用し、申立人代理人がそのまま管財人に就任していることは問題である。
グレーゾーン金利は、貸金業法改正前から一貫して、民事上は利息制限法第1条に違反する違法な金利である。
いわゆるみなし弁済規定(旧貸金業規制法第43条)についても、司法判断においては厳格な解釈がなされていた。
借主がグレーゾーン金利が違法であることに気付けば、ほとんどの場合、取引のはじめに遡って利息制限法の適用を受けて、支払わねばならない額が減少し、場合によっては過払金の返還請求も可能であった。
当然、グレーゾーン金利を用いて営業を行う消費者金融業者の取締役としては、グレーゾーン金利が違法な金利であることを認識することが十分に可能であったはずである。
それにもかかわらず、貸金業法改正によりグレーゾーン金利が撤廃される直前期まで、多くの消費者金融業者ではグレーゾーン金利を用いた営業を続けてきた。
結果として、過払金返還請求が増大したことにより経営難に陥った消費者金融業者が増えている。
このような消費者金融業者の取締役が、早い時期にグレーゾーン金利に依存する経営から脱却していれば、現在のような形で会社が経営難に陥ることは避けられたのであるから、グレーゾーン金利で営業をしていた消費者金融業者が会社更生を申し立てた場合には、取締役の経営責任を厳格に追及することを検討する必要がある。

3 更生会社において旧経営陣に対する責任の追及をする可能性がある場合には、円滑な手続の進行が要請される場合であっても、DIP型会社更生を含む会社更生手続によるべきではない。
東京地方裁判所民事第8部は、このような問題点を看過し、グレーゾーン金利で営業をしていた消費者金融業者等においても、前述のような会社更生手続を採用しているため、上記のとおり意見を述べる次第である。

2012年(平成24年)5月9日
横浜弁護士会 会長 木村 保夫

平成24年3月1日の提訴状況

全国各地の平成24年3月1日時点の提訴状況としては

18地裁1支部
札幌 仙台 新潟 宇都宮 東京 東京・立川 さいたま 静岡 名古屋 津 大津 大阪 神戸 岡山 広島 鳥取 高知 福岡 熊本

40都道府県
北海道 青森 秋田 山形 宮城 福島 新潟 福井 富山 栃木 群馬 茨城 埼玉 千葉 東京 神奈川 長野 静岡 愛知 三重 滋賀 京都 
和歌山 大阪 兵庫 岡山 広島 鳥取 香川 徳島 高知 愛媛 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 沖縄 

原告2407人
総計約55.5億円

という訴訟規模に達しました。

詳細は以下のとおりです。

全国一斉訴訟の第一陣(平成23年6月30日提訴。静岡は同年7月6日提訴)では、北海道、青森、山形、新潟、群馬、栃木、茨城、千葉、東京、神奈川、埼玉、静岡、長野、愛知、福井、大阪、和歌山、兵庫、広島、高知、熊本、大分、宮崎、沖縄の24都道府県から計849人の原告らが計19.4億円の損害賠償を請求しています(東京地裁351人9億円、さいたま地裁222人4.7億円、静岡地裁67人1.8億円、熊本地裁69人1億円、広島地裁53人8000万円、名古屋地裁32人6919万円、高知地裁23人6846万円、宇都宮地裁14人4311万円、新潟地裁18人3200万円。なお東京地裁には他の都道府県からの原告も提訴していますので、原告の住所は24都道府県に及びます)。

また、同年7月31日には福岡地裁で同様の訴訟が提起されました。原告は41人(福岡、長崎、鹿児島)、請求金額は7068万円です。

さらに、同年8月31日(宇都宮と岡山は9月1日)、全国一斉訴訟の第二陣が17都道県の原告ら565人により提起され、請求額は計12.5億円に達しました(東京地裁223人5.1億円、熊本地裁102人2億円、岡山地裁93人1.8億円、静岡地裁67人1.8億円、広島地裁29人4630万円、東京・立川支部23人5300万円、札幌地裁18人5014万円、宇都宮地裁10人3007万円。なお、東京地裁の原告は、北海道、秋田、福島、群馬、茨城、埼玉、千葉、東京、神奈川、福井、香川、沖縄の12都道県在住)。

その後も、同年9月15日には大津地裁(滋賀)に原告41人(滋賀、京都、大阪在住)が8577万円の、同年9月26日にはさいたま地裁に原告16人が6706万円の、同年9月28日には広島地裁に原告23人が2678万円の損害賠償を求めて提訴しました。

同年9月30日には、東京地裁に188人の原告が4.3億円、札幌地裁に71人の原告が1.1億円、福岡地裁に48人の原告が1.1億円の損害賠償を求めて提訴しました。

同年10月は、10月5日に高知の42人が9550万円、10月28日に北海道(提訴は札幌地裁)の56人が1億3564万円の、10月31日に三重(提訴は津地裁)の20人が3727万円の、同日に兵庫(提訴は神戸地裁)の18人が4193万円の、損害賠償請求訴訟を提起しました。

同年11月は、11月1日に広島の26人が3200万円の、11月2日に東京の57人が1億7390万円の、11月22日に仙台の48人が1億円の、11月24日に大津の9人が2889万円の、11月30日に岡山の28人が5308万円の、損害賠償請求訴訟を提起しました。

同年12月は、14日に大阪地裁に12人が2944万円の、27日に名古屋地裁に46人が1億4459万円の、28日に東京地裁に81人(新たな県としては富山と徳島の原告が参加)が2.4億円の、同日に鳥取地裁に4人が753万円の損害賠償を求めて提訴しました。

平成24年は、2月13日に東京地裁立川支部に9人が3103万円の、2月29日に東京地裁に97人(新たな県としては愛媛と佐賀の原告が参加)が2億4744万円の、3月1日に大阪地裁に12人が請求額4612万円の損害賠償を求めて提訴しました。

武富士の責任を追及する全国会議

管財人解任請求却下決定に対する声明

声 明

平成24年1月19日

最高裁判所 御中
東京地方裁判所民事第8部 御中

武富士の責任を追及する全国会議
代表   弁護士  新里 宏二
事務局長 弁護士  及川 智志

声明の趣旨

1 更生会社株式会社武富士の会社更生事件における管財人解任請求に対し、平成24年1月18日、東京地方裁判所民事第8部がした却下決定は不当であり、強く抗議する。

2 東京地方裁判所民事第8部は、上記事件の進行を厳格に監督し、管財人を職権 により解任すべきである。

声明の理由

1 解任請求の理由

当会議の過払債権者の一部は、平成23年12月28日、更生会社株式会社武富士の会社更生事件における小畑英一管財人を解任するよう東京地方裁判所民事第8部に請求した。

解任請求理由は以下のとおりである。

①更生会社のスポンサーであったA&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という。)には、種々の疑義が呈されていたのであるから、契約の履行可能性を徹底的に調査すべきであったのに、これを怠って同社とスポンサー契約を締結したため、結局、同社から手付け金しか支払われず債務不履行となり、スポンサー変更という異例の事態を招来した。

②弁済原資を毀損した責任、すなわち、当初から、Jトラスト株式会社(以下、「Jトラスト社」という。)は、武富士のスポンサー候補に名乗りを上げており、最終入札では310億円の買収金額を提示した。
ところが、管財人は、理由も明示せず、282億円と廉価な入札をしたA&P社をスポンサーに選定していたのである。結局は、Jトラスト社が新たなスポンサーに選定されたが、その買収価格は252億円とのことである。とすれば、当初からJトラスト社をスポンサーに選定した場合に比べて、債権者に対する弁済原資は(310億円-252億円=)58億円も減少したことになる。管財人がこの責任を負うべきは当然である。

2 却下理由の不当性

これに対し、東京地方裁判所民事第8部は、平成24年1月18日、上記解任請求を却下した。

同裁判所は、却下の理由につき、A&P社の債務不履行は「管財人が関知し得ない専らA&P社側の事情によるものであった」こと、解任請求者らが指摘した報道や情報については、後に被疑事実がなかったとの報道がなされ、追徴課税についても取り消されたこと、Jトラスト社は「当初のスポンサー選定前に自ら入札手続から撤退した」こととしている。

しかしながら、A&P社の債務不履行は、同社やその親会社の企業規模、実績、資本金、業務内容など客観的事実を調べるだけでも、通常疑いを差し挟んで然るべきであったのであり、「管財人が関知し得ない」とは、あまりに無責任であって、かつ、管財人の無能力を示すものにほかならない。

また、解任請求者らが指摘した報道や情報については、管財人は、更生計画提出時には調べてもいなかったのである。
それらの点については、当会議が調査の申し入れをした後、平成23年10月21日になってようやくA&P社から回答を徴求している始末である。
しかも、A&P社の回答について、管財人が、その裏付けをとったかどうかも明らかではない。

さらに、Jトラスト社は、スポンサーからの当初の撤退理由について、選定過程で「守秘義務が順守されないなど、手続きの公平性、透明性が担保されていない可能性が非常に大きいと判断した」とのコメントを発表しており、管財人の対応に対する不満から撤退したことが明らかである。
管財人が、当初は、公平性と透明性を欠く手続でJトラスト社を排除しておきながら、A&P社が債務不履行になるや、Jトラスト社に再度スポンサーになってくれるように懇願したというのであるから、武富士が廉価で「買いたたかれた」責任は、当然、管財人が負うべきである。

以 上

全国会議からのお願い  裁判の傍聴をお願いします

現在、武富士の役員に対する責任追及訴訟が全国各地の裁判所で行われています。

そこで、このブログをご覧の皆さんにお願いがあります。
各地の裁判所で開かれる期日に、ぜひ傍聴に行っていただきたいのです。
その理由は次のとおりです。

裁判は、裁判官が指揮をします。
訴訟手続は、法廷の中で、裁判官の指揮のもと、原告代理人弁護士、被告代理人弁護士が双方の議論を戦わせることによって進んでいきます。

裁判官は法律のプロです。
しかも裁判官は独立して訴訟を指揮します。
原告代理人の意見を聞き、被告代理人の意見を聞き、本人の意見陳述等も聞きますが、最後は、誰がなんと言おうと自分の判断で判決を書きます。
これを、「裁判官の職権行使の独立」といいます。

日本国憲法 第76条3項
「すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」

昔から現在にいたるまで、たくさんの裁判官が、たくさんの判決を書いています。
この膨大な量の判決は、「裁判官の職権行為の独立」の元に書かれています。

裁判を始める自由は原告にあります、それを認めるか、反論するかどうかを決めるのは被告の自由です。
しかし、いざ、双方が対立して争いになったときに、最終的な判断をするのは裁判官です。

なにも考えずに原告と被告の言い分の中間あたりの判決をしたり、傍聴人の多数決で決めるのではありません。
もしそんなことをする裁判官がいたら、裁判官としての資格がありません。

「判決」は、裁判官の独立の判断でなされてきました。今までもそうですし、これからもそうです。

ところが、過去から現在までの判決を見ていると、判決には、その時の「時代の流れ」というものを反映しています。 

昭和58年に、特に優良な業者のみが健全な市場を形成することを目的に、貸金業規制法が施行されました。
その法律により、本来は無効なはずの、利息制限法を超える金利を、一定の要件が満たされた場合には、有効とみなす、という「みなし弁済」という規定が設けられました。

当時は、この「みなし弁済」の規定を根拠に、サラ金の言い分を認める判決もあったのです。
しかし、貸金業規制法ができたにもかかわらず、従前と変わらないサラ金の過剰な貸付と厳しい取立の実態や、それによって自殺者まで出るという被害の実態が明らかになりました。
 
そして、裁判で消費者を保護する判決が積み重なるとともに、「これはおかしいよ」という世論の声が大きくなっていき、ついに平成18年には貸金業規制法という法律の改正にまで至りました。

なお、貸金業規制法改正よりはるか前の平成8年に名古屋高等裁判所で、武富士の交付していた書面が、「みなし弁済要件」が明らかになっています。
 
裁判官の職権の独立は守られながらも、判決の内容はその時代と裁判官との相互作用の中で変化しつづけていると言ってよいでしょう。
 
今、全国で行われている裁判は、貸金業者である武富士の「経営者」の責任を問うものです。
貸金業者に対して、利息制限法を超える、取り立ててはいけないお金を返すべきだ、という司法と立法の判断はすでに確定したものといっていいのですが、違法な取り立てをさせた貸金業者の「経営者の個人」としての責任を追及する判決は少ないです。
 
しかし、貸金業者という会社を経営するのは、その経営者なのですから、責任がないというのはおかしなことだと思います。

特に武富士については、既に過払状態になっている200万人を超える国民から、違法な金利を取り立ててきました。
今回の会社更生手続で債権の届出があった金額は1兆3800億円といわれています。

取引があっても、債権届をしなかった人も多いと思います。
その過払金は、会社更生手続によってほとんど失権してしまいました。
 
これほど巨額の金融資産を国民から収奪し、莫大な金額の配当や報酬を得たにもかかわらず、武富士の経営者は個人として弁済しようとはしません。
 
武富士という会社と、経営者という個人とは「法律上は別の人格」だからです。

この「法律上は」という理由づけは、平成18年の法改正で消滅した「みなし弁済」規定のように、世論や判決によって変えていくことができるはずです。
 
取ってはいけない金利を取り立て、株主配当や役員報酬を受け取った上で、会社だけ更生手続を受けて過払金を失権させて、経営者たちは責任を負わないというやり方は、明らかに「おかしい」ものだと思います。

私たちは、世論がおかしいという声を挙げていけば、その声は裁判官に届くと思っています。
 
世論の声を裁判官に届けるには傍聴席に座るのがもっとも効果的です。傍聴人は一切発言はできません。

しかし、裁判官に、世論が関心をもっているのだ、ということを伝えるには一番効果的です。

世論の声が大きいことをわかってもらった上で、裁判官には独立の判断で判決を書いて欲しいとおもいます。 

もちろん、傍聴人がたくさんいるからといって、この裁判の判決の結果がどのようになるかはわかりません。

しかし、傍聴人がたくさん居れば、「少なくともこの人たちを納得させるだけの理由づけをして、判決を書く必要があるな」と思うはずです。

裁判官は法律の究極の専門家です。究極の専門家が、たくさんの傍聴人を全く無視して、単に「法律上は別人格だから経営者に責任はない」といった簡単な理由による判決で終わらせることはないと思います。

これまで、全国会議では、原告御本人、弁護士、司法書士、学者、多重債務者の支援者の方々に傍聴のお願いをしてきました。
しかし、全国訴訟は、各地で、多数開かれ、どうしても限界があります。

そこで、このブログをご覧の皆さんの中でお時間がある方、関心がある方への傍聴のお願いをさせて頂く次第です。

傍聴は誰でも可能です。
武富士と取引がない方でも、取引があった方で債権届をしていない方でも、全くサラ金との取引がない方でも、単に関心があるという方がいらっしゃいましたら、ぜひ傍聴席まで足を運んでみてください。

各地での裁判所の期日はこのホームページの昨年12月26日付でお知らせしたとおりです。
今後も、期日が決まり次第ご報告をしていきます。
また、東京地裁103号法廷での裁判の様子につきましては、実際に傍聴した感想をニュースにして発行してお知らせしていきます。