武富士の責任を追及する全国会議

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意見表明

即時抗告理由補充書 変更決定

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

即時抗告理由補充書

平成23年12月30日

東京高等裁判所 御中

抗告人ら訴訟代理人
弁護士  及 川 智 志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
相手方 更生会社株式会社武富士
管財人 小 畑 英 一

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、同裁判所が平成23年10月31日にした認可決定に対し、抗告人らは即時抗告の理由として、以下のとおり補充する。

1 「やむを得ない事由」を欠く更生計画変更

平成23年12月28日、更生会社は、スポンサーをA&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という。)からJトラスト株式会社(以下、「Jトラスト」という。)に変更するとの発表をした。
その理由は、A&P社が分割対価の払い込みをしなかったため、とのことである。

これは、更生計画認可後の更生計画の変更(以下、「本件更生計画の変更」という。)であるから、「やむを得ない事由」を要件とする(会社更生法233条1項)。
やむを得ない事由とは、原計画認可後に生じた事由であって、原計画認可時に予想し得なかった事情をいう(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)333頁)。

しかしながら、A&P社については、以下のような事情に基づき、原計画認可時(平成23年10月31日時点)において、分割対価の払い込みができないことが予想されていた。

すなわち、①A&P社が日本では全く実績のない、韓国の高利貸金業者であったこと、②A&P社の主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性が不明であったこと、③A&P社の親会社たる「J&K・CAPITAL株式会社」(以下、「J&K社」という。)が、資本金5000万円、発行済株式1000株、株式譲渡制限があるいわゆる閉鎖会社で、平成16年2月13日設立の新興企業であったこと、④J&K社、A&P社、それらグループ企業の中核である「総合商社山潤株式会社」(名古屋市内においてパチンコ店や焼肉店などを経営する会社)、それらグループ企業のオーナーである山本潤(崔潤)氏について、資金力、経営能力などが全く不明であったこと、⑤A&P社に関しては、金融会社買収過程で買収額!を水増しし、会社資金を不正流用した疑いで家宅捜索を受けた(平成22年4月29日付け朝鮮日報)、実際に無利息で貸付を行なう期間が5~15日であるにもかかわらず、「30日間・40日間無利息キャンペ-ン」と広告に記載し、消費者の誤解を招いたために、虚偽・誇大広告として摘発され、是正命令と課徴金を課された(平成19年12月14日付け朝鮮日報)などとの報道がなされており、行政処分を受けることが予期されたことなどから、A&P社が約282億円もの分割対価を準備できる経済的能力がないということは、原計画認可時に予想されていたのである。

実際、A&P社は、違法高金利貸付により韓国において業務停止の行政処分を受ける見通しとなったため、分割対価を支払うことができなくなったのであるが、それは、原計画認可時において予想できたことが明らかである。
本件一件記録からも明らかなように、そうした懸念は、更生債権者からも再三指摘されていた。
管財人と東京地裁は、その懸念の声を無視して、平成23年10月31日、本件更生計画を認可したのである。

よって、A&P社が分割対価の払い込みができなくなることは原計画認可時(平成23年10月31日時点)において明らかであったのであるから、「やむを得ない事由」の要件を欠き、本件更生計画の変更は許されない。

2 不利益変更の手続を欠くこと

更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更の申立てがあった場合には、付議決定、関係人集会の開催または書面投票などの手続が必要である(会社更生法233条2項本文)。

「不利な影響とは、権利の再減縮、弁済期の延長など原計画と比較して不利となる場合のほか、減資、合併、組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持ち、利害関係人の地位に変更を生ずるおそれがある場合も含まれる」(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)335頁)。

本件更生計画の変更においては、会社分割対価が、原計画に記載されていた約282億円から約252億円へと減ずるのであるから、権利の再減縮がなされると考えるのが合理的である。
この点、管財人は否定しているが、合理的な説明はなされていない。
弁済期の延長もないと管財人は説明するが、当初平成23年12月中旬からとされていた弁済開始時期が平成24年1月中旬からに延期されたのであるから、91万人超もの更生債権者がいることも合わせ考えれば、弁済期の延長があると考える方が合理的である。

また、本件更生計画の変更においては、会社分割の承継会社がA&P社傘下の「アプロ社」からJトラスト傘下の「ロプロ社」に変更されるというのであるから、「組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持」つ点において変更があると考えるのが合理的である。

よって、本件更生計画の変更は、更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更であるにもかかわらず、付議決定、関係人集会の開催または書面投票といった法定の手続を欠くことが明らかであるから、許されない。

3 法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性についての懸念

原計画の更生計画案(要旨)5頁には、以下の記載がある。
「管財人は、各候補者から提出をうけた入札書につき、支援金額、承継される従業員数、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性等の入札内容を、裁判所、調査委員および監督官庁の意見も踏まえて総合配慮し、平成23年4月27日、裁判所の許可を得て、(中略)A&P社をスポンサーに選定した」

また、本件更生計画の変更により新スポンサーに選定されたJトラストに関し、平成23年4月8日付けブルームバーグは下記のとおり報道した。


金融業を手掛けるJトラストは8日、会社更生法に基づく再建を目指している武富士のスポンサー候補から撤退すると発表した。
これまで守秘義務から名乗りを上げていること自体を公表してこなかったが、候補として社名が報道されていることに配慮したという。

Jトラストは撤退理由について、選定過程で「守秘義務が順守されないなど、手続きの公平性、透明性が担保されていない可能性が非常に大きいと判断した」とのコメントを発表した。
同社が最終入札で提示したのは、価格が310億円、継承従業員は700人だったとしている。

武富士の管財人からのコメントは得られなかった。

とすれば、新スポンサーJトラストは、A&P社と比較して、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性が劣っていたということになる(支援金額でA&P社を上回り、承継される従業員数で遜色がなかったのであるから)。
こうした事実も踏まえ、本件即時抗告の可否は判断されるべきである

以 上

変更決定に対する即時抗告

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

即時抗告申立書

抗告人ら訴訟代理人
弁護士  及 川 智 志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
相手方 更生会社株式会社武富士
管財人 小 畑 英 一

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、平成23年12月28日に同裁判所がした変更決定は不服であるので、下記のとおり抗告する。

抗告の趣旨

 1 原決定を取り消す。
 2 本件計画変更申し立てを却下する。

抗告の理由

1 「やむを得ない事由」を欠く更生計画変更

東京地方裁判所は、平成23年12月28日、本件におけるスポンサーをA&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という。)からJトラスト株式会社(以下、「Jトラスト」という。)に変更するとの管財人からの更生計画変更申し立てについて、変更決定をした。
その理由は、A&P社が分割対価の払い込みをしなかったため、とのことである。

これは、更生計画認可後の更生計画の変更(以下、「本件更生計画の変更」という。)であるから、「やむを得ない事由」を要件とする(会社更生法233条1項)。
やむを得ない事由とは、原計画認可後に生じた事由であって、原計画認可時に予想し得なかった事情をいう(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)333頁)。

しかしながら、A&P社については、以下のような事情に基づき、原計画認可時(平成23年10月31日時点)において、分割対価の払い込みができないことが予想されていた。

すなわち、①A&P社が日本では全く実績のない、韓国の高利貸金業者であったこと、②A&P社の主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性が不明であったこと、③A&P社の親会社たる「J&K・CAPITAL株式会社」(以下、「J&K社」という。)が、資本金5000万円、発行済株式1000株、株式譲渡制限があるいわゆる閉鎖会社で、平成16年2月13日設立の新興企業であったこと、④J&K社、A&P社、それらグループ企業の中核である「総合商社山潤株式会社」(名古屋市内においてパチンコ店や焼肉店などを経営する会社)、それらグループ企業のオーナーである山本潤(崔潤)氏について、資金力、経営能力などが全く不明であったこと、⑤A&P社に関しては、金融会社買収過程で買収額を水増しし、会社資金を不正流用した疑いで家宅捜索を受けた(平成22年4月29日付け朝鮮日報)、実際に無利息で貸付を行なう期間が5~15日であるにもかかわらず、「30日間・40日間無利息キャンペ-ン」と広告に記載し、消費者の誤解を招いたために、虚偽・誇大広告として摘発され、是正命令と課徴金を課された(平成19年12月14日付け朝鮮日報)などとの報道がなされており、行政処分を受けることが予期されたことなどから、A&P社が約282億円もの分割対価を準備できる経済的能力がないということは、原計画認可時に予想されていたのである。

実際、A&P社は、違法高金利貸付により韓国において業務停止の行政処分を受ける見通しとなったため、分割対価を支払うことができなくなったのであるが、それは、原計画認可時において予想できたことが明らかである。
本件一件記録からも明らかなように、そうした懸念は、更生債権者からも再三指摘されていた。
管財人と東京地裁は、その懸念の声を無視して、平成23年10月31日、本件更生計画を認可したのである。

よって、A&P社が分割対価の払い込みができなくなることは原計画認可時(平成23年10月31日時点)において明らかであったのであるから、「やむを得ない事由」の要件を欠き、本件更生計画の変更は許されない。

2 不利益変更の手続を欠くこと

更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更の申立てがあった場合には、付議決定、関係人集会の開催または書面投票などの手続が必要である(会社更生法233条2項本文)。

「不利な影響とは、権利の再減縮、弁済期の延長など原計画と比較して不利となる場合のほか、減資、合併、組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持ち、利害関係人の地位に変更を生ずるおそれがある場合も含まれる」(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)335頁)。

本件更生計画の変更においては、会社分割対価が、原計画に記載されていた約282億円から約252億円へと減ずるのであるから、権利の再減縮がなされると考えるのが合理的である。
この点、管財人は否定しているが、合理的な説明はなされていない。
弁済期の延長もないと管財人は説明するが、当初平成23年12月中旬からとされていた弁済開始時期が平成24年1月中旬からに延期されたのであるから、91万人超もの更生債権者がいることも合わせ考えれば、弁済期の延長があると考える方が合理的である。

また、本件更生計画の変更においては、会社分割の承継会社がA&P社傘下の「アプロ社」からJトラスト傘下の「ロプロ社」に変更されるというのであるから、「組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持」つ点において変更があると考えるのが合理的である。

よって、本件更生計画の変更は、更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更であるにもかかわらず、付議決定、関係人集会の開催または書面投票といった法定の手続を欠くことが明らかであるから、許されない。

3 法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性についての懸念

原計画の更生計画案(要旨)5頁には、以下の記載がある。

「管財人は、各候補者から提出をうけた入札書につき、支援金額、承継される従業員数、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性等の入札内容を、裁判所、調査委員および監督官庁の意見も踏まえて総合配慮し、平成23年4月27日、裁判所の許可を得て、(中略)A&P社をスポンサーに選定した」

また、本件更生計画の変更により新スポンサーに選定されたJトラストに関し、平成23年4月8日付けブルームバーグは下記のとおり報道した。


金融業を手掛けるJトラストは8日、会社更生法に基づく再建を目指している武富士のスポンサー候補から撤退すると発表した。
これまで守秘義務から名乗りを上げていること自体を公表してこなかったが、候補として社名が報道されていることに配慮したという。

Jトラストは撤退理由について、選定過程で「守秘義務が順守されないなど、手続きの公平性、透明性が担保されていない可能性が非常に大きいと判断した」とのコメントを発表した。
同社が最終入札で提示したのは、価格が310億円、継承従業員は700人だったとしている。

武富士の管財人からのコメントは得られなかった。

とすれば、新スポンサーJトラストは、A&P社と比較して、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性が劣っていたということになる(支援金額でA&P社を上回り、承継される従業員数で遜色がなかったのであるから)。
こうした事実も踏まえ、本件即時抗告の可否は判断されるべきである。

管財人解任申立書

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富

管財人解任申立書

平成23年12月28日

東京地方裁判所民事第8部 御中

申立人ら訴訟代理人
弁護士  及川 智志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
更生会社株式会社武富士
管財人  小畑 英一

申立の趣旨

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、管財人小畑英一を解任する。

申立の理由

第1 スポンサー変更についての責任

1 本件更生計画においては、A&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という)をスポンサーとして、書面投票の可決がなされ、裁判所の認可がなされていたが、A&P社は手付金しか払わず、結局、当初の更生計画をそのまま履行することはできなくなった。
上記スポンサー契約は、本件更生計画の要であるから、管財人としては、A&P社の履行可能性について徹底的に調査し、慎重に契約を締結すべきであった。
とくに、A&Pについては、かねて以下のような疑義が呈されていたから、管財人にはなおさら調査を徹底し慎重にスポンサー契約を締結する法的義務が負わされていたというべきである。

(1)金融会社買収過程での水増しを被疑事実とする家宅捜索との報道
朝鮮日報は、2010(平成22)年4月29日、「ソウル中央地検金融租税調査3部は28日、在日韓国人系列で韓国の消費者金融業界トップの『ラッシュ・アンド・キャッシュ』の本社と関係先を家宅捜索した」、「検察は同社が最近、複数の金融会社を買収する過程で、買収額を水増しし、会社資金を不正流用した疑いで調べている」と報道した。
仮にかかる買収過程での不正流用があったとするならば、そのような企業に対して消費者金融事業を承継させることによりわが国においても新たな問題を発生させる危険もあるとの疑義が呈されていた。

(2)虚偽、誇大広告のために是正命令が出されたとの報道
朝鮮日報は、2007(平成19)年12月14日、「公取委は12日、ラッシュ・アンド・キャッシュなど貸金業者35社の虚偽・誇大広告を摘発、このうち8社に是正命令と総額1億200万ウオン(約1200万円)の課徴金を課した」、「公取委によると、ラッシュ・アンド・キャッシュ、イエスキャピタルなど3社は、実際に無利息で貸付を行なう期間が5-15日であるにもかかわらず、『30日間・40日間無利息キャンペ-ン』と広告に記載し、消費者の誤解を招いた」と報道した。
仮にかかる虚偽広告があったとするならば、A&P社が消費者金融事業を承継し日本で消費者金融の営業を継続した場合、日本の消費者の保護にもとる事態も発生しかねないとの疑義が呈されていた。

(3)税金追徴との報道
朝鮮日報は、2004(平成16)年11月24日、国税庁が、「ハッピ-レディ-、女子クレジット、イエスキャピタルなどAPROファイナンシャルグル-プの系列3社に対し税務調査を行ない、10億ウオン程の税金を追徴した」と報道した。

(4)更生会社武富士のホームページに掲載されているA&P社の「広報基礎資料2010」についてすら、①日本語版のみであり、「APROファイナンシャルグル-プ」のホームページなどを見ても、これの原本となるハングル版が見当たらない、②左下にあるホームページアドレスは「ラッシュ&キャッシュ」のものとなっているが、アクセスもできない、③2010年版であるのに1頁目下段には「2011年4月」に武富士のスポンサーとなった旨の記述がある(そもそもこの広報資料の作成年月日が不明)、④10頁にグループ会社の構成があるところ、A&P社の親会社たる「J&K・CAPITAL株式会社」(以下、「J&K社」という。)の資本金・業種・業績・武富士の親会社となることの適格性について審査が尽くされていない疑いがある、⑤山本潤(崔潤)氏の経歴、同氏が武富士の実質オーナーとなることの適格性の審査が尽くされていない疑いがあるなど、多数の疑義が呈されていた。
J&K社は、資本金5000万円、発行済株式1000株、株式譲渡制限があるいわゆる閉鎖会社で、平成16年2月13日設立の会社である(A&Oの経営権取得が同年3月)。
このような小規模かつ新興の会社に武富士のスポンサーとなるべき実績や適格性があるのかどうか甚だ疑問である(Jトラストは平成23年3月31日現在の資本金が44億9609万円であり、なぜこうしたスポンサー選定が行われたのか疑問である)。A&P社、J&K社などの会社グループの中心に位置すると思われる「総合商社山潤株式会社」は、名古屋市内においてパチンコ店や焼肉店などを経営する会社である。
A&P社がいかなる背景を持った会社であるのか(主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性)について明らかではない。仮に、A&P社が暴力団など反社会的勢力との関係を持っているとすれば、同社に対する消費者金融事業の承継は暴力団根絶の社会的要請に反することになる。
また、仮に、A&P社が更生会社の創業者、大株主などと利害関係を持った会社であれば、同社に対する消費者金融事業の承継は、更生会社に対する債権の大部分を踏み倒される更生債権者らとの関係で公正とは言い難いことになる。
例えば、英語版Wikipediaには、ラッシュ・アンド・キャッシュの「Japanese CEO」は「ナカムラ ヒデトシ」(更生会社の創業者の義弟=亡武井保雄の妻である旧姓中村博子の弟である可能性が高い)との記載もあり、それをもとにA&P社の背景について疑問を持つ者も多いのである。Wikipediaの性質上、その記載内容に高い信憑性はないともいえるが、消費者金融事業の承継が「公正」であるため、あるいは「公正」であると世人が納得するためには、A&P社の背景(主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性)について調査が尽くされなければならない。

 以上のような多数の疑義が呈されていた。

2 しかし、結局、管財人は、十分な調査もなく安易にA&P社とスポンサー契約を締結し、同社の債務不履行により、予定していた債権者への弁済期日が少なくとも1か月は延期され、債権者に不安を与え、社会的混乱を惹起した。
ようやく本日になってJトラストを新たなスポンサーとして更生計画を変更したとのことであるが、会社更生計画におけるスポンサーが認可決定後に変更されるなどという極めて異例の事態を看過するわけにはいかない。
くわえて、債務不履行を引き起こしたA&P社に対する責任追及(違約罰)についても管財人がどのような処置をしたのかすら明らかではない。
こうした軽率かつ無責任な管財人は直ちに解任されるべきである。

 

第2 弁済原資を毀損した責任

当初から、Jトラストは、武富士のスポンサー候補に名乗りを上げており、最終入札では310億円の買収金額を提示した。

ところが、管財人は、理由も明示せず、282億円と廉価な入札をしたA&P社をスポンサーに選定していたのである。

結局は、Jトラストが新たなスポンサーに選定されたとのことであるが、その買収価格は252億円とのことである(武富士の発表)。

とすれば、当初からJトラストをスポンサーに選定した場合に比べて、債権者に対する弁済原資は(310億円-252億円=)58億円も減少したことになる。

管財人がこの責任を負うべきは当然である。

第3 結論

よって、裁判所は、管財人が更生会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないのであるから、小畑英一管財人を解任されたい(会社更生法68条2項)。

即時抗告理由補充書

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

即時抗告理由補充書

平成23年12月22日

東京高等裁判所 御中

抗告人ら訴訟代理人
弁護士  及 川 智 志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
相手方 更生会社株式会社武富士
管財人 小 畑 英 一

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、同裁判所が平成23年10月31日にした認可決定に対し、抗告人らは即時抗告の理由として、以下のとおり補充する。

中央日報日本語版で以下のとおりの報道がなされている。
ますます本件更生計画の実現可能性は乏しくなったといわざるを得ない。
東京高等裁判所においても、調査を尽くした上、本件即時抗告につき判断されたい。

日系消費者金融のラッシュアンドキャッシュと三和マネーが営業停止へ

2011年12月21日10時53分

消費者金融業界1・2位のラッシュアンドキャッシュと三和マネーが生死の岐路に立たされた。
ソウル江南(カンナム)区庁は20日、ラッシュアンドキャッシュを運営するA&Pファイナンシャル貸付と三和マネーを運営する三和貸付、ミズサラン貸付、ワンキャッシング貸付の4社に営業停止命令を盛り込んだ行政処分事前通知書を送ったと明らかにした。
ミズサラン貸付とワンキャッシング貸付はラッシュアンドキャッシュの系列会社だ。
これ4社は先月に法定利率の39%を上回る44~49%に達する貸付金利を取り金融監督院に摘発された。
超過して得ていた利子は30億6000万ウォンに達する。

4社は来年1月6日まで江南区庁に意見書を提出しなければならない。
15日余りの「釈明の時間」が与えられた。企業は「軽減条項」の適用を受け営業停止期間を最大限減らそうという立場だ。
現行の貸付業法施行令によると、法定最高金利を超えて利子を取っていた場合、1回の摘発で6カ月の営業停止処分を受ける。
だが、自治体の判断により営業停止期間の50%を加重または軽減できる別途の条項が用意されている。
営業停止期間は短くて3カ月、長くて9カ月まで増やせるという話だ。

消費者金融業界の47%を占める4社の新規貸し付け業務が全面中断される場合、庶民層の資金調達に支障が出るものとみられる。
現在業界1位のラッシュアンドキャッシュの貸付残高は1兆9899億ウォン、2位の三和マネーは1兆1765億ウォンだ。
江南区庁の担当者は、「業者が出した意見書を検討した後に数日中に営業停止期間と時期を確定し、遅くとも来年1月中には営業停止処分が下されるだろう」と説明した。

以 上

裁判所と調査委員への要請

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社株式会社武富士

上申(要請)書

平成23年12月22日

東京地方裁判所第8民事部 御中
調査委員 弁護士 須藤英章 先生

債権者  代理人  弁護士  及川 智志
「武富士の責任を追及する全国会議」事務局長



中央日報日本語版で以下のとおりの報道がなされているので、調査を尽くされたい。

日系消費者金融のラッシュアンドキャッシュと三和マネーが営業停止へ

2011年12月21日10時53分

消費者金融業界1・2位のラッシュアンドキャッシュと三和マネーが生死の岐路に立たされた。
ソウル江南(カンナム)区庁は20日、ラッシュアンドキャッシュを運営するA&Pファイナンシャル貸付と三和マネーを運営する三和貸付、ミズサラン貸付、ワンキャッシング貸付の4社に営業停止命令を盛り込んだ行政処分事前通知書を送ったと明らかにした。
ミズサラン貸付とワンキャッシング貸付はラッシュアンドキャッシュの系列会社だ。これ4社は先月に法定利率の39%を上回る44~49%に達する貸付金利を取り金融監督院に摘発された。
超過して得ていた利子は30億6000万ウォンに達する。

4社は来年1月6日まで江南区庁に意見書を提出しなければならない。
15日余りの「釈明の時間」が与えられた。企業は「軽減条項」の適用を受け営業停止期間を最大限減らそうという立場だ。
現行の貸付業法施行令によると、法定最高金利を超えて利子を取っていた場合、1回の摘発で6カ月の営業停止処分を受ける。
だが、自治体の判断により営業停止期間の50%を加重または軽減できる別途の条項が用意されている。
営業停止期間は短くて3カ月、長くて9カ月まで増やせるという話だ。

消費者金融業界の47%を占める4社の新規貸し付け業務が全面中断される場合、庶民層の資金調達に支障が出るものとみられる。
現在業界1位のラッシュアンドキャッシュの貸付残高は1兆9899億ウォン、2位の三和マネーは1兆1765億ウォンだ。
江南区庁の担当者は、「業者が出した意見書を検討した後に数日中に営業停止期間と時期を確定し、遅くとも来年1月中には営業停止処分が下されるだろう」と説明した。

以 上

韓国金融監督院への要望書

要望書

2011年12月8日
武富士の責任を追及する全国会議
代表 弁護士 新里宏二
(連絡先)事務局長 弁護士 及川智志

韓国金融監督院 御中

当会議は、日本全国の弁護士、司法書士、学者、武富士の被害者ら、約350人で構成する市民団体です。

当会議は、昨年9月に経営破たんし現在会社更生手続中の消費者金融大手、更生会社株式会社武富士の法的責任を追及するため、同更生手続の監視を続けるとともに、同社創業家の責任を追及するため、同社創業者の相続人らに対する損害賠償請求訴訟を日本全国の裁判所で提起しています(現時点での原告約2100人)。

武富士の更生計画においては、韓国の大手消費者金融A&P社がスポンサーとして選定され、同社が武富士の消費者金融事業を承継するとされているところ、貴庁は、違法高金利営業を理由として同社を摘発、今後同社に対する営業停止等の行政処分をする予定と報じられております。

当会議は、前記の活動から、貴庁の上記行政処分につき、重大な関心を有しております。

つきましては、A&P社に対する貴庁の行政処分が、いつころどのような内容でなされる見込みであるか、ご教示いただければ幸甚に存じます。

なお、誠に僭越ながら、第一には韓国の消費者のため、そして、日本の消費者のためにも、A&P社に対し厳しい行政処分がなされることを当会議は要望いたします。

末筆ながら、貴庁の金融監督行政に敬意を表するとともに、日系消費者金融が貴国において多大な消費者被害を惹起していることを日本の市民の立場から深くお詫び申し上げます。
今後とも韓日両国の親善が深まりますように祈念する次第です。

即時抗告理由補充書

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

即時抗告理由補充書

平成23年12月8日

東京高等裁判所 御中

抗告人ら訴訟代理人
弁護士 及川 智志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
相手方 更生会社株式会社武富士
管財人 小畑 英一

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、同裁判所が平成23年10月31日にした認可決定に対し、抗告人らは即時抗告の理由として、以下のとおり補充する。

更生会社株式会社武富士は、A&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という)への会社分割を当初予定の12月1日から1か月程度延期すると発表した。
この延期につき、以下のとおり報道されている。
 

2011年11月30日13:30 日本経済新聞ネット版

武富士が新会社始動を延期 買収の韓国社、現地で行政処分も

昨秋に経営破綻した消費者金融の武富士が、12月1日に予定していた会社分割が延期となる見通しとなった。
同社を買収した韓国の消費者金融業者が、現地での貸し付けを巡って当局から行政処分を受ける可能性が出ているためだ。
同社は更生計画の認可を受け、新体制での本格的な営業再開を目指している。

武富士は韓国のA&Pファイナンシャルがスポンサーとなり、10月末に更生計画案の認可を取り付けた。
12月1日付で新旧2社に会社を分割する計画を進めていた。
韓国A&P傘下の「新会社」が武富士ブランドを引き継いで融資を再開し、「旧会社」が債権者への支払業務などにあたる予定だ。

だがA&Pは地盤の韓国で、一部顧客に法定金利を上回る金利を適用していたことが発覚した。
行政処分が下るかは不透明だが、事実関係の確認を急ぐ必要があるため、武富士の会社分割の日程に影響が出る恐れがある。
関係者によると、1カ月程度遅れる可能性がある。

2011年12月1日03時03分 読売新聞ネット版

会社更生手続き中の消費者金融・武富士が、韓国の消費者金融A&Pファイナンシャルの傘下で再生を図る更生計画が白紙になる可能性が出てきた。
A&Pが買収資金の約282億円を払い込まず、12月1日に予定されていた事業承継が12月末ごろまで延期となったためだ。
12月末までに買収代金が払い込まれる保証はなく、更生計画を作り直して新たな支援企業を探す可能性が強まっているとみられる。
更生計画を認可した東京地裁は、延期を認める条件としてA&Pが支払う買収代金を282億円から上積みすることを求めた模様だ。

12月中旬から始めるはずだった債権者への借金返済は遅れるとみられる。
武富士の債権者は、過去に払い過ぎた利息(過払い利息)の返還を請求した顧客などで約91万人に上る。
現計画では、武富士が返済できる割合を示す弁済率は3・3%だが、破産すれば1・9%に下がると試算されている。

こうした事態は、抗告人らが平成23年11月25日付け即時抗告申立書において指摘していた懸念が現実となったものである。

また、以下のような報道もなされており、更生会社株式会社武富士及びA&P社は、従業員の確保すら困難になっている。

2011年12月1日3時6分 朝日新聞ネット版

会社更生手続き中の消費者金融・武富士で、今年3月末の在籍社員の8割に当たる1300人程度が退職することが30日、分かった。
武富士の事業を引き継ぐ韓国の同業大手A&Pファイナンシャルは、人員削減の規模を1000人程度にする予定だったが、退職希望者が続出し、想定を上回ったという。
会社の先行きに不透明感が強いことなどが背景とみられる。

武富士の社員数は、3月末時点で約1600人。
A&Pは、有人店舗を約20店に削減、無人店も4分の1の約100店を閉鎖するなど、事業規模を大幅に縮小し、人員を大幅に減らす方針だった。
退職者の大半は、年末までに社を離れる見通しだ。
[時事通信社]

よって、A&P社に対する更生会社の消費者金融事業の承継については、会社更生法199条2項2号「更生計画の内容が公正・・・であること」及び同条項3号「更生計画が遂行可能であること」との要件を充たさない。

武富士役員責任追及多摩弁護団 意見要旨

平成23年12月7日13:30より、東京地裁立川支部404号法廷にて、武富士役員責任追及多摩弁護団による責任追及訴訟の第1回口頭弁論が開かれました。

弁護団長による意見表明は、次の通りです。


平成23年(ワ)第0000号 損害賠償請求事件
被告 武井博子 外2名

平成23年12月7日

東京地方裁判所立川支部 民事第1部 御中

原告ら訴訟代理人
(武富士役員責任追及多摩弁護団団長)弁護士  笠井 收

意見要旨

本件第1回口頭弁論期日にあたり、原告ら代理人を代表して意見を陳述するが、その要旨は以下の通りである。

1 本件訴訟の原告らについて

本件訴訟の原告はいずれも、昨年、会社更生手続の申請がなされ倒産した株式会社武富士(以下「武富士」という。)に対する過払金債権者である。

原告らのほとんどの者は、5~6年以上もの間、武富士と取引し、真面目に高金利を支払い続けた。
でないと、利息制限法を超過する高金利でも過払いにはならないからである。

取引の間、多くの者は、それが利息制限法違反であると知らず、武富士が定める金利が有効なものであると信じ、支払を続けた。
武富士は一部上場の大企業であって、テレビなどでも多くの広告をしてきた。
そんな有名な大企業が法律違反の金利を定めているとは思わないのが、一般市民の感覚である。

多くの者は経済的に苦しく、様々な事情で借入をせざるを得なかった。
そして、一度借りてしまうと、金利の負担が苦しく、なかなか完済できない。
借入枠が空くと借りてしまう繰り返しになってしまう。
また、武富士の社員から「もっと借りてください」と迫られることも多い。

このようにして、「借りては返す」という悪循環になってしまう。
しかし、原告らはみな、高金利に苦しみながら「過払」になるまで必死で払い続けた。

事情を知らない者は、こうした過払債権者を「一部のだらしがない者」と片づけてしまう傾向があるが、実際にはそうではないことをご理解いただきたい。

武富士の会社更生手続において、過払金債権を届け出た者は90万人以上である。

90万人とは大変な人数である。
日本の人口は今年の国勢調査によれば1億2800万人余りとされているが、そうすると、日本人の150人に1人は武富士に対する過払債権者である。

これほど多くの者が武富士の高金利に苦しんだ結果、「過払い」になっている。
多数の者を苦しめた武富士と、その創業者の責任は極めて重いといわざるを得ない。

2 本件訴訟の被告らについて

他方、本件訴訟の被告らは、武富士を創業した者の一族である。

武富士は、平成18年に亡くなった亡武井保雄が創業したが、武井博子はその妻、武井俊樹はその長男、武井健晃(たけてる)はその二男である。

被告らは、武富士があげた多大な不当利得から、株式配当などによりを個人資産として形成してきた。

被告ら一族は長者番付の常連となり、杉並区にきわめて豪奢な邸宅があることは何度も報道されているが、その巨額の資産が社会的注目を浴びたのは、贈与税訴訟事件の最高裁判決をめぐってである。

すなわち、亡武井保雄は、長男の被告武井俊樹に対し、武富士の株を直接贈与すると課税されることから、オランダ法人を介し、周到にも武井俊樹を香港に住まわせて贈与税回避を図った(当時の税法では外国に居住する者の外国資産の贈与は課税対象から外されていたからである。)。

これが僭脱行為に該当するとして課税されたが、被告武井俊樹はその処分取消を求めて行政訴訟を提起した。

最高裁平成23年2月18日判決は、租税法定主義の建前から課税処分を取り消した。
要するに、この判決後、課税された巨額の贈与税は被告武井俊樹に還付されているはずである(その額は、利息込みで約2000億円と報道されている。)。

しかし、この判決において裁判長は、異例の補足意見を述べた。

すなわち、

「一般的な法形式で直截に本件会社株式を贈与すれば課税されるのに」

「暫定的に住所を香港に移しておくという人為的な組合せを実施すれば課税されないというのは」

「著しい不公平感を免れない。
国外に暫定的に滞在しただけといってよい日本国籍の上告人(武井俊樹)は,無償で1653億円もの莫大な経済的価値を親から承継し,しかもその経済的価値は実質的に本件会社の国内での無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借契約上の利息収入によって稼得した巨額の富の化体したものともいえるから,適切な担税力が備わっているということもでき,我が国における富の再分配などの要請の観点からも,なおさらその感を深くする。
一般的な法感情の観点から結論だけをみる限りでは,違和感も生じないではない」。

というものである。

このように、被告ら一族は、利息制限法違反による不当な収益をあげた上に、さらに税法の抜け穴を潜り抜け、巨額の資産を保持している。
その問題点を最高裁裁判長裁判官も、はっきりと指摘しているのである。

3 武富士の会社更生について

武富士の会社更生計画案は本年10月31日に認可されたが、その第1回の弁済率はわずか3.3%とされている。

しかも、12月1日以降の報道によれば、スポンサーであるA&Pフィナンシャルの資金繰り等の問題により、弁済計画は大幅に遅れるとのことであり、過払金債権者はわずか3.3%の配当すら受領できるか微妙な情勢となっている。

その他、会社更生手続では会社更生申請代理人がそのまま管財人に就くなど、様々な問題点が指摘されている。

前記の通り、過払債権者は僅少額の配当すら受け取れるかどうかという情勢である一方で、被告ら一族が豪奢な資産を保持し、2000億円の還付金を受け取ったまま、何ら経営責任を果たそうとしないのは、裁判長補足意見の通り、「著しい不公平感」があるとしか言いようがない。

4 本件訴訟で問うこと

訴状の主張・立証事項に関わるのでここでは多くを触れないが、被告らが法的に許されないことの第1は、貸金業のプロである武富士、そしてその役員を務めた亡武井保雄を中心とする者らは、

「貸金業規制法の『みなし弁済』規定が適用されない結果、利息制限法が適用されれば、過払となる。」

という単純な図式を熟知していたということである。

平成8年から9年にかけて、武富士は貸金業規制法の「みなし弁済」規定の適用に挑み、いずれも高等裁判所で大敗を喫している。
まともな経営者であれば、ここで自社の取引の違法性を直視し、取引の形態を変え、過払が発生しないように努めるはずである。

ところが、武富士はこのような対応を一切していない。高金利による儲けに目がくらんだとしかいいようがない。

ここに、取締役としての重大な責任があると言える。

次に、亡武井保雄は盗聴事件という信じられない犯罪行為を犯し、さらに本件会社更生に至る経過には計画倒産の疑いがあるばかりか、その他訴状請求原因第4の4以下で述べる様々な問題がある。

5 回付上申について

ところで、被告らは本件訴訟を東京地方裁判所へ回付せよとの上申をしているが、全く不相当である。

本件訴訟は、貴庁貴支部に管轄がある。
武富士は、多摩地区に多数の支店・営業所、ATMコーナーなどを設置し、テレビCMはもとより、街頭ティッシュ配りなど数々の宣伝を行い、多摩地区の顧客をターゲットとして積極的にアクセスしてきたのである。

その結果として訴訟を起こされたのであるから、被告らは貴庁貴支部での応訴を受けて立つのが当然の筋合いである。

訴訟提起という不都合な事態になって、自らの利便を主張するのは、被告らの身勝手な態度を物語るものである。

6 おわりに

以上の通り、本件訴訟は金銭賠償の請求という形を採っているが、武富士の高金利に苦しんだ原告らの様々な思いが込められている。

どうか貴庁貴支部はこれら原告の思いを受け止めていただき、慎重かつ適正な審理とご判断をいただきたい。

以上

武富士役員責任追及多摩弁護団については、こちらをご覧下さい。

意見陳述要旨

東京弁護団訴訟、第1回口頭弁論における意見陳述です。


平成23年(ワ)〇〇〇〇号(第1回12月2日10:00)

意見陳述要旨(原告代理人ら)

2011年12月2日

東京地方裁判所 民事15部 御中

原告訴訟代理人
弁護士 茨木 茂

                          
本件第1回口頭弁論期日にあたり、原告代理人らを代表して以下のとおり意見を陳述する。

1 ㈱武富士の倒産

昨年(2010年、平成22年)9月、サラ金最大手であった㈱武富士は会社更生手続を申し立て倒産した。
同年10月31日、㈱武富士について更生手続開始決定があり、現在、更生手続中である。
本年(2011年、平成23年)7月、更生管財人から弁済率わずか3.3%の更生計画案(今後の回収状況により弁済率が上向く可能性があるとのことだが、保証の限りではなく、いずれにしろ到底満足すべき弁済率にはならない。)が提出された。
本年10月31日、この更生計画は認可されたが、即時抗告されている。

2 本件訴訟提起の原因

ア 本件は、㈱武富士に対して過払債権を有している多数の元借主(或いは当該借主の相続人)からの、㈱武富士を創業し、経営し、支配していた武井一族に対する損害賠償請求訴訟である。
同種の訴訟(被告の範囲等について各地で若干の差はあるようである)が、全国各地でこれまでに多数起こされており、今後も続々と起こされる見込みである。

イ 一般に、まともな商売をしていた会社が倒産した場合、取引先債権者は、打撃を受けるけれども、少しでも損失を少なくするために倒産手続の中でできるだけの行動をし、敢えて別個の損害賠償請求訴訟を起こすというようなことはしない。
しかし、今回の㈱武富士倒産では、そうはならず、前記のとおり、本訴原告らを含む多くの過払債権者によって、全国各地で武井一族に対して、損害賠償請求訴訟が起こされている。
その大きな原因は、次のような点にあると考えられる。

  第1に、㈱武富士はまともな商売をしていなかった。
㈱武富士は、サラ金最大手として、サラ金三悪即ち、高金利、過剰融資、強硬取立というサラ金の3Kを、体現し実践していた会社であった。
しかも㈱武富士或いはその代表者たる武井保雄は、サラ金三悪にプラスして、金の力にあかせて、㈱武富士を批判する者に対しての言論弾圧として、高額の名誉毀損損害賠償請求訴訟を濫発したり、盗聴をするなどの違法行為もしていた悪質会社であった。

  第2に、第1の違法不当な㈱武富士の業務によって支払わされてきた高利は、元借主からすれば、「騙されて絞り取られた金」に他ならず、正に犯罪による被害者と同様の強い被害感情を抱くに至ることは当然である。

  第3に、㈱武富士が違法不当な業務によって広範な一般大衆から取得した高利即ち過払金は、結局、㈱武富士を支配経営していた武井一族の富へと転化している。
適法正当な企業活動により利益をあげ、その結果創業者や経営者が相当の利益を得て、株主もその分け前に与かる、ということを問題としているわけではない。
㈱武富士の場合、同社の利益の源泉たる高利貸付は、適法正当なものではなく、違法不当なものであったのだから、武井一族が、その利益を取得し保持し続けることは許されないのである。

  第4に、㈱武富士の会社更生手続の業務を中心となって進める更生管財人が、㈱武富士から依頼されて会社更生手続の申立代理人となった者と同一人であるから、過払債権者としては、「更生管財人は、配当率を少しでも高めるため中立公正な立場で徹底して頑張って活動してくれるのか」の点で、重大な不信感を持たざるを得ないのである。

3 正義と衡平に基づく公正な判断を求める

ア 被告武井俊樹からの贈与税取消訴訟に関する最高裁第二小法廷平成23年2月18日判決の補足意見で、須藤裁判長が名付けたところの「贈与税回避スキーム」は、結果的に成功してしまった。
今回武井一族は、㈱武富士を倒産させるにあたって、「過払金回避スキーム」を組み立てているのであろう。「贈与税回避スキーム」をまんまと成功させたのは、租税法律主義という規定のためだが(もっとも、「住所」について最二小判とは異なる認定をしても租税法律主義には違反しないのではないかという疑問は存するが)、「過払金回避スキーム」に関しては、租税法律主義は無関係であり、現行法の解釈で、十分これを打ち破る(「過払金回避スキーム」の実現を阻止する)ことができることは、訴状にて主張しているとおりである。

イ 前記須藤裁判長は、㈱武富士の利息収入を、「無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借契約上の利息収入」と述べているが、㈱武富士と取引をしていた消費者は、圧倒的に、経済的に困窮していた低所得者なのであり、その困窮につけ込んで、法律上取得できない高利を取得していたのであり、不正義の程度は甚だしい。

ウ 御庁におかれては、こうした客観的事実を十分踏まえた上での正義と衡平に基づく公正な判断を求めるものである。

小畑管財人解任の申立

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

管財人解任申立書

平成23年12月1日

東京地方裁判所民事第8部 御中

**県
申立人 〇〇〇〇
**県
申立人 〇〇〇〇
**県
申立人 〇〇〇〇
申立人ら訴訟代理人
弁護士 及川 智志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
更生会社株式会社武富士
管財人 小 畑 英 一

申立の趣旨

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、管財人小畑英一を解任する。

申立の理由

更生会社株式会社武富士は、A&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という)への会社分割を当初予定の12月1日から1か月程度延期すると発表した(甲1)。

この延長につき、以下のとおり報道されている。
 

2011年11月30日13:30 日本経済新聞ネット版

武富士が新会社始動を延期 買収の韓国社、現地で行政処分も

昨秋に経営破綻した消費者金融の武富士が、12月1日に予定していた会社分割が延期となる見通しとなった。
同社を買収した韓国の消費者金融業者が、現地での貸し付けを巡って当局から行政処分を受ける可能性が出ているためだ。
同社は更生計画の認可を受け、新体制での本格的な営業再開を目指している。

武富士は韓国のA&Pファイナンシャルがスポンサーとなり、10月末に更生計画案の認可を取り付けた。
12月1日付で新旧2社に会社を分割する計画を進めていた。韓国A&P傘下の「新会社」が武富士ブランドを引き継いで融資を再開し、「旧会社」が債権者への支払業務などにあたる予定だ。

だがA&Pは地盤の韓国で、一部顧客に法定金利を上回る金利を適用していたことが発覚した。
行政処分が下るかは不透明だが、事実関係の確認を急ぐ必要があるため、武富士の会社分割の日程に影響が出る恐れがある。
関係者によると、1カ月程度遅れる可能性がある。

2011年12月1日03時03分 読売新聞ネット版

会社更生手続き中の消費者金融・武富士が、韓国の消費者金融A&Pファイナンシャルの傘下で再生を図る更生計画が白紙になる可能性が出てきた。
A&Pが買収資金の約282億円を払い込まず、12月1日に予定されていた事業承継が12月末ごろまで延期となったためだ。
12月末までに買収代金が払い込まれる保証はなく、更生計画を作り直して新たな支援企業を探す可能性が強まっているとみられる。
更生計画を認可した東京地裁は、延期を認める条件としてA&Pが支払う買収代金を282億円から上積みすることを求めた模様だ。

12月中旬から始めるはずだった債権者への借金返済は遅れるとみられる。
武富士の債権者は、過去に払い過ぎた利息(過払い利息)の返還を請求した顧客などで約91万人に上る。
現計画では、武富士が返済できる割合を示す弁済率は3・3%だが、破産すれば1・9%に下がると試算されている。

こうした事態は、本件申立人らが平成23年11月25日付け即時抗告申立書(甲2)において指摘していた懸念が現実となったものである。

また、そもそも、小畑英一管財人は、武富士から申立報酬を受領した、武富士の申立代理人であった者である。
武富士と密接に関係し(少なくとも密接に関係していた)、武富士と利害関係を有する(少なくとも有していた)弁護士が、武富士からの影響力を完全に排除して公正に管財業務を遂行できるのか、おおいに疑問であって、片や武富士と委任関係にある(少なくともあった)弁護士が、片や管財人として公正な業務を遂行できるのか、利益相反の問題は生じないのか、このような疑義ある手続では,武富士の経営陣が裏から会社更生を主導しているのではないか、との疑いを払拭できない、という申立人ら過払債権者がこれまで再三にわたり主張していた懸念が現実化したという他ない。

少なくとも、平成23年10月31日に認可された更生計画案の投票等には多大な費用が投入されたにもかかわらず、これが円滑に遂行できない点において、小畑英一管財人の業務は明らかに不適切である。

よって、裁判所は、管財人が更生会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないのであるから、小畑英一管財人を解任されたい(会社更生法68条2項)。


この申立に対し、平成23年12月12日に、申立を却下する決定がありました。

却下理由として

「しかしながら、そもそも、当該変更は、更生計画の定めに従って、裁判所において合理的な必要があると認めて許可したものであり、一件記録によれば、当該変更は管財人が関知し得ない専らスポンサー側の事情によるものであったことが認められ、管財人がその責めを負うべきものではない。
その他、一件記録を精査しても、管財人が更生会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないとは認められず、裁判所が管財人を解任すべき重要な事由があるとも認められない。」

としています。