武富士の責任を追及する全国会議

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武富士一万人訴訟ニュース 第17号 ①

武富士一万人訴訟ニュース 第17号 ①

平成24年7月23日

武富士の責任を追及する全国会議
代表 弁護士 新里宏二
事務局長 弁護士 及川智志

東京プロパー訴訟 第4回目7月13日

10時~631号法廷

この日は、2つの期日が重なりました。
まずは東京プロパー訴訟からです。
東京プロパー訴訟では、亡武井保雄氏の相続人全員を被告にしています。
このため、被告の人数が全国訴訟よりも多く、被告の代理人となった弁護士さんの人数も多くなります。
この日、被告の代理人の弁護士さんが、一人いらっしゃいませんでした。

1、出廷した当事者

原告代理人として6名、被告代理人7名。
すみません、裁判官の名前をメモするのを忘れました。
但し、弁論の更新がなかったので前回と変更がなかったと思われます。

2、主なやりとり

(※法廷でのメモのおこしです。)

9時52分頃

書記官
武富士の代理人の方はおそろいですか?、原告から訴え変更の申立書が出ていますのでお渡しします。
(10時に裁判官が入廷したのですが、被告代理人の先生が一名いらっしゃらないようです。裁判官は一旦退廷しました。)

10時3分頃

書記官
被告の代理人が遅れていますので、別件を行うかどうか決めたいと思います、少しお待ち下さい。

書記官
別件を先に行います。
武富士関係の代理人の皆さん、別件の当事者と入れ替わってください。

(別の事件が進行)

10時20分頃
(及川弁護士が、10時30分からの103大法廷に事情の説明に行きました。)

10時25分頃
(裁判が始まりました)

裁判長
原告の第2準備書面を陳述します。

原告代理人
(ここから三上弁護士の弁論要旨から抜粋)

第2準備書面を弁論要旨について、下記のとおり(口頭で)陳述します。

第1 取締役の職務上の義務

1 法令遵守義務
およそ会社は法令を遵守した上で事業活動を行うのは当然であり、取締役は、会社の業務執行を決定し、その執行にあたる立場にあるものであるからすれば、会社をして法令に違反させることのないようにするため、その職務遂行に当たっては、会社がその業務を行うに際して遵守すべきすべての規定を遵守することも、取締役の会社に対する職務上の義務に属すると解される。
[最判平成12年7月7日・民集54-6-1767]

2 体制構築義務
そうすると、会社の取締役において、会社がその業務を行うに際して遵守すべき規定に反して営業を行っていることを認識、又は認識し得た場合には、直ちにそれを是正し、会社の業務執行が法令に従って行われるような体制を構築することも、取締役の会社に対する職務上の義務に属すると解するのが相当である。

第2 武富士の取締役の職務上の義務
 1 みなし弁済の適用要件の充足

(1)みなし弁済規定について
旧貸金業規制法43条1項のみなし弁済の規定は、あくまで、利息制限法に対する例外として規定されたものであり、貸金業者が同項の規定要件を充足した上で、その主張立証をしない限り、[仮に債務者から利息制限法の適用を求める旨の主張がなくても]原則どおり利息制限法による元本充当計算[昭和39年11月18日・民集18-9-1868]をしなければならないものである。

(2)武富士の取締役の職務上の責任
そうすると、武富士が、債務者から受領した制限超過部分について、元本に充当する[昭和39年11月18日・民集18-9-1868]ことなく、これを有効な利息の弁済とみなす取扱をするのであれば、武富士をして法令に違反させることのないようにするため、旧貸金業規制法43条1項の規定の適用要件を充足するような体制を構築することも、武富士の取締役の会社に対する職務上の義務に属していたと解すべきである。

 2 18条書面における正確な記載

(1)18条書面における正確な記載について
貸金業法[旧貸金業規制法18条]は、みなし弁済の要件が欠け、みなし弁済の適用がなければ、利息制限法に従い利息計算をして、残元本を算出することを求めている。貸金業者がそのような算出をして18条書面を作成することに支障があるわけではない[東京高判平成16年3月16日・判時1849-44]
最判平成18年1月24日[民集60-1-319]が「18条書面・・・の記載内容が正確でないときや明確でないとき」にはみなし弁済は成立しないものとし、18条書面に該当するためには「正確な記載」が必要であるとしていることからすれば、みなし弁済の適用がないのに、貸金業者がこれを無視し、又は看過して、みなし弁済があるものとして弁済後の貸金残高を計算し、これを前提に、借り主の新たな弁済金につき、その充当関係を記載した受取証書を交付した場合、そのような書面では、18条書面に該当し得ない。[別冊判タ33号「過払金返還請求訴訟の実務」101頁]

(2)武富士の取締役の職務上の義務
そうすると、武富士の取締役は、その職務執行に際し、武富士をして法令に違反させることのないようにするため、武富士がみなし弁済が成立しない顧客から弁済を受けたときは、受取証書において、同法18条所定の法定記載事項のうち「受領金額及びその利息・・・又は元本への充当額」についての「正確な記載」として、利息制限法に従い、元本充当計算をした金額を記載して交付する[すなわち、最判平成18年1月24日のいう「記載内容が正確でないとき」に該当しないようにする]体制を構築することも、武富士の取締役の会社に対する職務上の義務に属していたと解すべきである。

 3 債権証書の返還義務

(1)債権証書の返還義務について
貸金業者は、貸付の契約に基づく債権についてその全部の弁済を受けた場合には、遅滞なく、債権証書を返還しなければならないものとされる[旧貸金業規制法22条]。
この規定は、債務者の請求の有無にかかわらず、当然に返還を要するという意味で、民法487条の規定[債務者に債権証書の「返還請求権」を認めたにとどまる]を一歩進めたものである。

(2)武富士の取締役の職務上の義務
そうすると、武富士の取締役は、その職務執行に際し、武富士をして法令に違反させることのないようにするため、みなし弁済が成立しない顧客との間の金銭消費貸借取引について、利息制限法による元本充当計算の結果、債務が完済されたときは、遅滞なく、債権証書を返還する体制を構築することも、武富士の取締役の会社に対する職務上の義務に属していたと解すべきである。

第3 被告らの責任

1 被告らの任務懈怠
亡き武井保雄、被告武井俊樹および被告武井健晃ら[以下「被告ら」という。]は、このような取締役としての義務を懈怠したため、武富士は、みなし弁済の適用要件を充足しないまま、制限超過部分に対する支払いを有効な利息の債務の弁済とみなす取扱をし[旧貸金業規制法43条1項違反]、みなし弁済の成立しない顧客に対しても、あたかもみなし弁済が成立しているかのような「不正確な記載」をした受取証書を交付し[同法18条違反]、法律上の残債務額を超える権利行使をすると共に、利息制限法による元本充当計算により、計算上元本が完済された顧客に対しても、債権証書を返還せず[同法22条違反]、かえって法律上の根拠のない権利行使を続けるという法令違反行為を繰り返したものである。

2 相当因果関係
被告らが、このような武富士の法令違反行為を認識し、又は容易に認識し得た時点において、直ちにそれを是正し、以後、武富士の業務執行が法令に従って行われるように、体制を構築していれば、原告らは、武富士に対し、法律上の義務のない支払いをさせられることはなかった[又は武富士が倒産に至る前に過払金の返還を受けることができた]のであるから、被告らの任務懈怠行為と原告らの損害との間には、相当因果関係がある。

3 不法行為の成立は要件とされていないこと
なお、念のために付言すると、会社法429条1項[旧商法266条の3]による取締役の第3者に対する責任を認めるために、会社の行為が当該第三者との関係で不法行為を構成することまでが不可欠の要件とされることはない[最判昭和44年11月26日・民集23-11-2150等]。
被告らにおいて、前述のような武富士の法令違反行為を認識し、又は容易に認識し得たにもかかわらず、[悪意又は重大な過失により]これを放置したことが、取締役の職務上の義務の懈怠となるのであり、この場合、武富士の行為が原告らとの関係で不法行為を構成するどうかにかかわらず、被告らの任務懈怠によって、原告らに損害が生じた[相当因果関係がある]と認められる限り、被告らは、会社法429条1項[旧商法266条の3]による責任を免れない。

第4 求釈明

1 被告らの主張
被告らは答弁書[9頁]で、「武富士においては、その時々の法令、判例、・・・等に基づいて、みなし弁済規定の適用をうけるために体制を整えていた。」旨主張するが、その具体的[どのような判例に基づき、どのような体制を整えていたのか]については、全く明らかにされていない。

2 求釈明
被告らは、武富士の取締役として、武富士自らが敗訴当事者となり、武富士の金銭消費貸借取引につき、みなし弁済が成立しないことを明らかにした高裁判決[名古屋高裁平成8年10月23日・判時1600-103、東京高裁平成9年11月17日・金商1047-3]や、貸金業者一般の業務内容に対して多大な影響を与えた最高裁判例[最判平成11年1月21日・民集53-1-98、最判平成16年2月20日・民集58-2-475、最判平成18年1月13日・民集60-1-1]に基づいて、武富士が「みなし弁済規定の適用を受けるための体制を整え」るために、具体的に、どのような対応をしたと主張するのか、原告準備書面[2]の第3[16~23頁]に対する認否を具体的に明らかにされたい。

裁判長
原告の訴え変更の申立は、直前ということもあり、また被告の代理人がいらっしゃらないということもあるので、次回に陳述することとしたいと思います。
次回は、被告の反論をお願いします。
また、次回期日の後に進行協議を入れたいと思います。
次回は9月14日の午前10時30分から631号法廷で行います。

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