武富士の責任を追及する全国会議
代表 弁護士 新里宏二
事務局長 弁護士 及川智志
司法書士 乾 亮太朗
今回は、ニュース⑫に続いて、6月7日の午後4時半から行われた、管財人が武富士の役員等に提訴した裁判の傍聴をお知らせしたいと思います。
なお、管財人は、(1)株式配当に関する20億2000万円の訴訟、(2)元会長による盗聴事件に関する訴訟、(3)大株主に対する配当金返還請求訴訟の3つの訴訟を提起していますが、今回は(3)の事件の傍聴記録です。
なお、全国会議では、この3つの訴訟全てに「補助参加」をしていたのですが、前回の期日までに(1)(2)の補助参加が却下され、さらに手続が非公開の「弁論準備手続」となったため、(1)(2)の訴訟については、どのような手続がなされたのかわかりません。
当分の間、なにが行われているかわからない状態が続くものと思われます。
(3)の事件については、先日、全国会議の弁護団の補助参加が却下されました。
しかし、「弁論」だけは開かれることになっていたため、傍聴は可能でした。
前回の期日で代理人席に座っていた全国会議の弁護士さんも、僕たちと一緒に傍聴席から訴訟の進行を見ていました。
つまり、今回の裁判で原告代理人が提出した書面の内容はわかりません。
特に、おそらく甲号証として提出された、専門家の意見書の内容がわかりません。
専門家に意見書を作成してもらうには結構なお金がかかります。
そのお金って、債権者に配当されるべき武富士の財産から支出されているわけで、なんで過払債権者の代理人をしている全国会議の弁護士さんが、傍聴席から見ていなくてはいけないのか・・・。
まあ、武富士から依頼を受けた管財人が、武富士の大株主兼役員を、管財人を選任した民事8部で提訴するという、一見通常の法廷に見えるものの、法廷内にはほとんど関係者しかいないという裁判ですから、こういうこともおこるのですね。
おそらく、今後わが国で、このような裁判が行われることはない、と思われます。
裁判手続というものを学ぶにはよい機会だと思います。
法律に興味のある学生さんにおすすめです。
ところで、非公開の「弁論準備手続」で何をやっているのでしょうね。
(メモより)
創業家の大株主に対する配当金返還請求訴訟
(16:30~)
1、谷口安史裁判長、松下貴彦裁判官、森田強司裁判官、斎藤竜也書記官、原告代理人(管財人)4名、被告代理人5名が出席しました。
谷口裁判長:
原告第2準備書面を陳述。甲14号証の原本を提出。
(被告代理人が原本を確認)今回出された○○(←聞き取れない)教授の意見書から、原告の主張は明らになったと考えます。
被告のご意見はいかがですか。
被告代理人:
双方の主張の前提が違うため、主張がかみ合っていないところがあるが、反論することになると思います。
谷口裁判長:
かみ合っていないところとは、具体的にどこですか?
裁判所としては、引き直し計算の方法、確定更生債権の既判力などの争点は措くとしても、最高裁平成18年以降は「みなし弁済」の成立がないという前提で過払金を債務に計上しなければならなかった、配当すべき利益は存在しない、違法配当になるというのが原告の主張と理解しています。
それに対し、被告は、法律論として、反論してください。
被告代理人:
2ヶ月ほど時間を頂きたいと思います。
谷口裁判長:
実質的な反論がなされることを前提に、その程度の時間をおきたいと思います。
原告代理人:
被告にはできるだけ早めに反論をだしてほしい。
谷口裁判長:
被告代理人は専門家の意見書を提出する予定はありますか?
被告代理人:
検討をしますが、提出するとしても、次回期日までには不可能だと思います。
谷口裁判長:
専門家に依頼をするならできるだけ早くしてください。
次回は、8月9日(木)の午後1時半から、次回も弁論とします。
被告は7月中に反論をしてください。