武富士の責任を追及する全国会議

ホームページが新しくなりました

電話相談: 047-360-2123 受付時間:月曜~金曜 10:00~17:00
全国からご相談の電話をお受けして、各地の弁護士無料相談をご紹介します。
武富士一万人訴訟ニュース 第13号

武富士一万人訴訟ニュース 第13号

平成24年5月9日

武富士の責任を追及する全国会議
代表 弁護士 新里宏二
事務局長 弁護士 及川智志
〒271-0091 千葉県松戸市本町5-9 浅野ビル3階 市民の法律事務所内
電話047(360)2123 FAX047(362)7038 http://takefuji-tsuikyu.com/


第4陣1回目の期日が開かれました。

司法書士 乾 亮太朗

皆さんこんにちは。
5月9日午前10時、東京地方裁判所103号法廷で武富士一万人訴訟の第4陣訴訟の1回目の期日が開かれました。

第4陣、次回は7月11日(水)午前10時から地裁703号法廷です

現在東京で継続中の訴訟についての期日も合わせてお知らせします。

立川訴訟 第3回期日 H24.5.16(水)
13:30
東京地裁立川支部
404号法廷
全国訴訟
第1陣
進行協議 H24.5.29(火)
15:30
東京地裁
501号法廷
管財人訴訟 第3回期日 H24.6.7(月)
16:30
東京簡裁
601号法廷
全国訴訟
第5陣
第1回期日 H24.6.11(月)
10:00
東京地裁
103号法廷
全国訴訟
第2陣
第4回期日 H24.6.11(月)
11:00
東京地裁
606号法廷
全国訴訟
第3陣
第3回期日 H24.7.2(月)
10:00
東京地裁
708号法廷
東京訴訟 第4回期日 H24.7.13(金)
10:00
東京地裁
631号法廷

1、出廷した当事者、裁判官、書記官

原告側は福島県福島市の御本人1名、原告訴訟代理人は、及川弁護士他1名が出廷。
第4陣の係属部は28部、裁判官は、大竹昭彦裁判長、大野晃宏裁判官、本井修平裁判官、田邉雅孝書記官です。

2、主なやりとり

(※法廷でのメモのおこしです。)

大竹裁判長
おはようございます、おまたせしました。

大竹裁判長
原告は訴状を陳述、被告は答弁書を陳述。
原告御本人と、原告代理人から意見陳述のご希望があります。
各5分程度とお聞きしています。
それでは初めてください。

原告御本人
原告を代表して陳述をします。
私は、昭和59年生まれの59才です。
本日は自分が言葉で伝えたいと思い、福島県福島市から出頭しました。

(この後、原告御本人が、3人の子供の母親であったこと、自分もパートで働いていたけれども、夫の会社が給制であったため、怪我をしたときに数ヶ月間収入が足りず、平成2年から武富士から借入をして生活費に充てていたこと。
テレビで過払ということを聴き、自分も払いすぎているかもしれないけど、武富士からは債務があると請求されていたので債務整理手続に踏み切れなかったこと。
20年近く頭の中から「借金」のことが消えることがなかったこと、結果として300万円の過払金が発生していたこと。
現在大震災による原発事故のために避難先で暮らしていて、過払金があれば生活費になったと考えてしまうこと等を陳述されました。)

原告代理人
(前略・なお、以下の代理人陳述部分は意見陳述要旨からの転載です。)
本訴訟の意義、ところで、武富士の会社更生手続では、武富士から会社更生申立を依頼された弁護士その人が更生管財人に選任されている。
これでは、武富士や武井家の意に反してまで管財人が公正さを追求できる道理がない。
武富士買収企業の選定の過程にも大きな疑義が呈されている。

また、管財人は、昨年7月15日に弁済率わずか3.3%の更生計画案を示し、武富士社員を駆り立てて「破産になった場合よりはマシ」だろうという脅しまがいの論法で電話をかけまくり、必死に同案への同意票を集めた。

こうした不誠実不公正な投票にもかかわらず、昨年10月31日、開始決定からちょうど1年目の日に武富士の更生計画は認可された。

この裁判所の認可決定には、重大な問題がある。

昨年12月28日には、当初のスポンサーであった韓国企業が撤退し、更生債権者らの関与が全くないままに急遽武富士のスポンサーが変更されるという前代未聞のドタバタ劇も発生しており、武富士の会社更生手続に対する不審は極まったという他はない。(中略)

こうした会社更生の経緯に怒りと失望を覚える過払債権者は数多い。
武富士の被害者は、武富士、そして被告ら武井家に対する公明正大な法律的決着を切望しているのである。

そうでなければ全国の被害者は救われない。とくに人生の大切な時間や親族の命を奪われた被害者の方はなおさらである。

その意味で、本件訴訟は、被害者の方々の尊厳を取り戻す闘いでもある。(後略)

大竹裁判長
それでは手続に入ります。
被告は乙1号証から乙26の2までを提出されますね。
原告はなにかご意見はありますか。

原告代理人
訴訟の併合上申がでています。

大竹裁判長
併合については慎重に考慮します。

大竹裁判長
双方の代理人にお伺いします。
本件は原告数が80名を超えるということで、103号大法廷を指定しましたが、今回と同じくらいの傍聴人数であれば、次回は通常法廷で行いたいと思います。

原告代理人
大法廷にすることによって期日が先になるようでしたら通常法廷にしていただいてかまいません。

被告代理人
裁判所にお任せします。

3、報告集会@弁護士会館5階

裁判が終わり、弁護士会館の5階の部屋で報告集会を開きました。
今回は傍聴した方が少なく、報告集会もアットホームな感じです。
(いつもはぴりぴりしているわけじゃないですよ)

報告集会では現在の訴訟の進行状況の報告、武富士の債権者がほとんど過払債権者であることの問題点、次回の期日の確認が行われました。

また、今回出廷し、意見陳述をして頂いた御本人さんと、裁判官に実際に会ってお話をして頂くことの、訴訟手続における意義についてお話をさせて頂きました。

さらに、今回の法廷での傍聴人数と今後の対応が話し合われました。

この種の社会的な大型訴訟では、裁判官は世論の動向を見ています。
裁判官が世論の動向を一番感じることができるのが傍聴人のまなざしです。

傍聴人や世論が裁判所を動かした事件はいろいろありますが、僕が実際に経験した事件があります。

それは、平成20年7月7日に提訴された「新宿七夕訴訟」です。

この訴訟は、当時ホームレス状態にあった原告男性が、新宿区に生活保護申請をしたところ、新宿区はホームレスは施設に行ってもらうことになっている。といって生活保護申請を却下した事件です。

新宿区の却下理由は「仕事があるのに働かない」というものでした。
しかし、ホームレス状態にあって、路上で寝泊まりしていた原告男性には、所持金等の財産がない以前に、履歴書に書く住所地すらなく、就職活動も出来ない状況にありました。

わが国では、一般的に個人を特定する際、「住所」と「氏名」で特定します。
住所がない人は「公的に特定不能な人物」であり、レンタルビデオ店の会員にもなれません。
新宿区は、どうやったら就職できると判断したのでしょう。

原告男性、および原告を支援する弁護士たちは、東京地方裁判所(民事2部)に、新宿区は原告に対し生活保護を開始せよ、という訴訟を提起しました。

第一回目の法廷は僕も傍聴に行きましたが、裁判官に全くやる気ないのが肌で感じられました。

書面をざーと見て、陳述させてさっさと終わらせようというのが目に見えてわかりました。

そもそも、原告男性と弁護団は、七夕訴訟を起こす前に、ホームレス状態という緊急状態にあるのだから、新宿区は原告に仮にでも生活保護を開始せよ、という決定を求める「仮の義務づけ訴訟」を提起していました。
その仮の義務づけ訴訟について、東京地裁民事2部は、新宿区と同じく「仕事がある」ことを理由に却下していました。

履歴書に住所も書けない人がどこに就職できるのでしょう。
万一就職したとして、給料の支給日まで、どこで暮らすのでしょうか。
新宿区役所職員も、裁判官も、就職活動に苦労する必要がなかったのでしょうね。
それでも学生時代にバイトくらいはやったことがあると思うのですが。

・・・先に起こした仮の義務づけ訴訟を却下した裁判官が、本訴事件について、やる気がないのは当たり前です。

そこで、原告弁護団は、裁判の傍聴の呼びかけを行いました。
弁護士に限らず、原告男性と同じようにホームレス生活をしている人、支援者の人、訴訟の当事者ではないけれども、訴訟の重要性に関心のある人達が傍聴につめかけました。

裁判は初めは東京地裁の通常法廷で行われましたが、毎回傍聴人をあふれさせ、大法廷に変更させました。

そして、大法廷に変更後も傍聴席を埋めて(あふれはしませんが)、裁判官の訴訟指揮を大勢で見ていました。

すると、最初は全く興味を持っていなかった裁判官の様子が少しづつかわりはじめました、そして、そのうち陪席の裁判官が訴訟自体に興味を示してくれたのです。

初めはまるで空耳だった原告の言い分もきちんと耳を傾けるようになり、新宿区がホームレスを収容している施設での進行協議を行うようにもなりました。
これは裁判官が収容施設の実質的な調査を行ったことを意味します。

僕は、新宿七夕訴訟で、傍聴席を埋める、ということが裁判に大変な影響を与えるのだ、ということを初めて知り、かつ経験しました。
どうして裁判官の訴訟指揮が変化したのでしょうか。 

音楽家が、一番真剣に演奏するのは観衆を前にした会場での本番演奏です。
一人も観客がいない会場で演奏しても、それは練習にしかならないでしょう。
それと同じように、裁判官が一番真剣に訴訟指揮をするのも沢山の傍聴人の前で開廷されるときなのです。

まあ、別にプロでなくても、人が見ている場所でなにかするときには真剣になると思います。

武富士の取立でひどい目にあった方々に、武富士の取立でひどい目にあった人を知っている方々に、ぜひ傍聴に来て頂きたいと思います。
真剣に裁判官を見つめる傍聴人の存在は、訴訟進行に与える影響がとても大きいのです。
単なる見学者というものではないのです。

なお、3年にわたった新宿七夕訴訟の第一審は、原告男性の主張を認める画期的なものとなりました。
(現在控訴審が係属中です。新宿七夕訴訟控訴審の次回は5/16午前11時30分から東京高裁101号大法廷・場所は地裁103の向かい側です。)

今回は、なぜ弁護団が、傍聴のお願いを続けているのか、裁判における傍聴の意義について、少しながめにご報告をさせて頂きました。
どうぞよろしくお願いします。

以上

« »