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法改正で見えた与野党議員とサラ金業界の癒着

法改正で見えた与野党議員とサラ金業界の癒着

Business Jorrnal 2013/8/27

2006年に改正された貸金業法について、「見直し」という名の改悪が行われる可能性が出てきた。
改正貸金業法では、借金苦による生活破綻などを防ごうと、利息制限法の上限金利を超えてはいるが刑事罰はなかったグレーゾーン金利(10 万円未満の借入の場合、年利20%~29・2%の間)が廃止され、融資額に応じて上限金利が15~20%と定められた。
また、年収の3分の1を超える過剰貸付も原則禁止された(総量規制)。

そして今、10年6月の完全施行からわずか2年で、時計の針を逆戻りさせる動きが始まっている。

5月、自民党の「小口金融市場に関する小委員会」(竹本直一委員長。以下、小委員会)は、改正貸金業法を骨抜きにする案をまとめた。
「総量規制」を撤廃して年収にかかわりなく借りられるようにすること、上限金利を年利30%程度にまで引き上げることが柱だ。

サラ金消費者金融の別称。
主に個人を対象に、無担保で金銭を貸し付ける専門金融会社。2006年の貸金業法改正で、業界大手が揃って経営危機に陥った。

民主党も後を追うように、「改正貸金業法検討ワーキングチーム」(桜井充座長。以下、WT)を立ち上げ、中小・零細事業者向けの短期貸し付けの上限金利を引き上げる方向で検討を進めている。

「実は、超党派の『貸金業法改正の影響と対策に関する勉強会』があり、自民党の案も民主党の案も、そこでの議論がベースになっている」と明かすのは貸金業界関係者である。

この勉強会では、後述する堂下浩・東京情報大学教授などの専門家を講師に招き、貸し出しの規制緩和の必要性などについて議論がなされている。
11年7月に同勉強会が発表した「政策提言中間とりまとめ」では、法改正の影響で「中小企業の資金繰り悪化などで、大規模な雇用喪失が起こった」「強引な回収をしないソフトヤミ金が登場した」との見解を示している。
確かに、一部メディアでも、「法改正がそれまで荒稼ぎしていた高利貸しビジネスを、壊滅状態に追い込んだ一方、それに代わり、違法金融がはびこり始めている」(「週刊現代」〈講談社/4月23日号〜5月28日号〉連載「ヤミ金融裏事情」より)との報道もみられる。

しかし、日本弁護士連合会(日弁連)消費者問題対策委員会の木村裕二弁護士は、次のように反論する。

「ヤミ金に関する犯罪は、ピーク時の03年と比べ、検挙人数ベースでは2分の1、被害金額は3分の1にまで減り、減少傾向にあります。また、全国の消費生活センターや弁護士会の相談窓口に寄せられるヤミ金相談も減っています。安易に規制を緩めれば、元の木阿弥になってしまう懸念があります」

また、金融庁の調査によると、「中小企業の資金繰り悪化の原因」として「改正貸金業法の影響」が占める割合は1%台である。

ではなぜ、前出の国会議員たちは「見直し」をめざすのか?

7月19日、貸金業法に関する集会で、民主党の橋本勉衆議院議員は、「業界からお金をもらっているんじゃないか」と発言した。確かに、再改正を推進する議員たちの経歴を見ると、まるで橋本議員が抱く疑念を裏付けるかのようである。

民主党・WTの事務局長・網屋信介衆議院議員は、消費者金融・事業者金融のNISグループ(12年5月に民事再生申立)の元社長だ。
自民党・小委員会の平将明事務局長も、商工ローンなどからグレーゾーン金利を含んだ債権を買い漁ったあげく破綻した、日本振興銀行の元取締役。
例えていえば、東電の元役員が国会議員になり、原発再稼働を推進するようなものだ。
「見直し派には、共通の『支援者』がいる」(多重債務問題に詳しい弁護士)との声もある。

また、民主党・WTなどのヒアリングに引っ張りだこの堂下浩教授(前出)は、早稲田大学クレジットビジネス研究所の研究員を務めているが、「同研究所の前身は、大手消費者金融が資金を出し合い、まさに”サラ金業界マネー”で設立された消費者金融サービス研究所であり、業界寄りの論文を量産している」(前出とは別の貸金業界関係者)という。

消費者金融業界の代弁者たちが、前のめりで再改正を推し進めているとの印象はぬぐえない。

(文=北健一/ジャーナリスト)

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