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武富士買収、韓国企業の狙い ちらつく創業・武井家の影

武富士買収、韓国企業の狙い ちらつく創業・武井家の影

2011.5.21 18:00  産経ニュース



経営破綻した消費者金融大手、武富士の支援スポンサーに韓国の同業大手、A&Pファイナンシャルが決まった。
破綻原因となった契約者への過払い利息の返還から開放され、身軽になった武富士を買収し、そのブランド力を生かし日本市場に進出する。
ただ、経営トップも含めA&Pの実態はよく分かっていない。
スポンサー選定をめぐっても、破綻の責任を負い経営から離れた創業者一族の武井家の意向が働いたとの指摘もあり、不透明な部分が多い。

謎の経営者

「資金提供や事業の規模などから、スポンサーにふさわしいかどうかを判断した」

武富士の管財人をつとめる小畑英一弁護士は今月6日、東京都新宿区の武富士本社で会見し、A&Pを選定した理由を説明した。

A&Pは最終入札で米投資ファンドのサーベラスや国内消費者金融のJトラストなど3社を退け、優先交渉権を獲得。
東京地裁の許可を受け、4月27日にスポンサー契約を結んだ。

韓国では、「ラッシュ&キャッシュ」のブランド名で消費者金融業を展開。同社を中核とする金融グループの貸付残高は約2兆800億ウォン(約1560億円)に上り、韓国では最大の規模を誇るという。

ただ、日本ではその実態はほとんど知られていない。
6日の会見には、経営トップは姿を見せず、プロフィルも不明。
小畑氏は「40歳代の在日韓国人。武富士再建に情熱を持っている」とコメントしただけだった。

利息返還5%以下

武富士買収の狙いは何なのか。
複数の企業がスポンサーに名乗りを上げたように、買収メリットは小さくない。

会社更生法の適用を申請したことで、過去に取りすぎていた利息の返還も、他の債権と同様に大幅にカットできる。
返還請求は約90万件、総額約1兆3800億円に上るが、「弁済率はわずか5%以下にとどまる」(関係者)とみられている。

再建計画案では、武富士を消費者事業に専念する承継会社と、債権者への弁済を行う処理会社の2つに分割する方針。
利息返還はほとんどが免除され、処理会社の資産の範囲内で支払われるため、スポンサーにはほとんど追加の資金負担は生じない。

プロミスやアコムなどライバルは、武富士破綻を契機に利息返還請求が急増。
平成23年3月期決算で最終赤字となるなど苦境にあえぐのを尻目に、武富士の継承会社は、新規顧客の開拓など積極的に売って出ることができる。

またライバルが店舗閉鎖などリストラに追われるなか、武富士には約130店が残っているのも強みだ。
A&Pは韓国で有人店舗による対面販売で事業を拡大しており、「日本でも十分にノウハウを生かせる」(業界関係者)と、同業者は警戒を強めている。

格下同業を排除

一方で、スポンサー選定をめぐっては、不透明さが指摘されている。

最終入札に残ったJトラストの関係者は、「管財人に伝えた情報がすぐマスコミに漏れるなど、守秘義務が守られていなかった」と不満を漏らした。
Jトラストを意図的に排除するような動きの背景には、「格が下の同業者の傘下に入ることを嫌がった創業家の意向がある」と、業界関係者は解説する。

武富士は故武井保雄氏が一代で築き上げ、ワンマン経営から“武井商店”とも揶揄された。
だが、破綻で創業家の持ち株はゼロとなり、次男の健晃氏が副社長から退き、縁は切れたはずだった。

だが、今も社内に多く残る、保雄氏を信奉する役員や社員が、継承会社に残ることで、「創業家の影響力が温存される」(業界関係者)との見方は多い。

保雄氏の遺産相続をめぐり、元専務で長男の俊樹氏が追徴課税の取り消し訴訟に逆転勝訴し、国から約2千億円もの還付を受けるなど、創業家には多くの資産がある。
利息返還を請求した債権者らは私財提供を求めており、創業家への批判は根強い。

国内金融機関も破綻前から、不透明な経営体質を敬遠し、融資に慎重な姿勢を続けてきた。
創業家の影響力が残ったままでは、利用者や金融機関の信用を得るのは難しい。

武富士再建は、A&Pが創業家をどこまで排除できるかがカギとなりそうだ。

(山口暢彦)

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