武富士の責任を追及する全国会議

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更生債権者及びその関係者からの書面投票に関する問い合わせに際し,推測を交えない客観的な事実だけを回答するよう,管財人及び更生会社を指導されたい

更生債権者及びその関係者からの書面投票に関する問い合わせに際し,推測を交えない客観的な事実だけを回答するよう,管財人及び更生会社を指導されたい

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

要 望 書

最高裁判所           御中
東京地方裁判所民事第8部 御中

平成23年7月28日

 「武富士の責任を追及する全国会議」
(代表 弁護士新里宏二)

第1.要望の趣旨

頭書事件の「会社更生計画案の書面投票による決議」手続において,更生債権者及びその関係者からの書面投票に関する問い合わせに際し,推測を交えない客観的な事実だけを回答するよう,管財人及び更生会社を指導されたい。

第2.要望の理由

1 書面投票を行う議決権者と更生会社の情報量の差を考慮すべきである。

(1) 本件会社更生手続においては,平成23年7月22日,更生計画案を決議に付する旨の決定がなされ,関係人集会を開催することなく,近日中に書面投票のみで決議される予定である。

(2) 更生計画案への決議は,当然のことながら,公平で客観的な事実の開示の下,議決権者が他人の関与なく自由な意思によって賛否を投じることができて初めて,適正な手続であると認められる。

(3) 本件の議決権を有する債権者はそのほとんどが専門知識をもたない一般の過払債権者である。これらの過払債権者からは,更生計画案及び書面投票の通知に際し,更生会社に対し多数の問い合わせが寄せられると想定されるが,この問い合わせに際し,更生会社が偏った説明を行えば,客観的な情報を得る機会に乏しい過払債権者が誤った判断を行う可能性は否定できない。

2 更生計画案における弁済率の差異の根拠が不明である。

(1)  このような更生会社と債権者の間に圧倒的な情報量の差があるなか,平成23年7月22日「更生計画案(要旨)」が書面決議に付され,発表された。
これによると,破産した場合の清算価値は,「基準日現在における破産を前提とした財産の状況については,清算貸借対照表のとおりであり,一般債権総額に対する清算配当率は1.92%」(計画案7頁)とされる。
これに対して,更生手続における配当率は,第一回目の弁済として「元本等更生債権の3.3%に相当する金額を,更生計画認可決定時から一年を経過する日の属する月の末日までに弁済する。」(計画案9頁)ものとし,さらに第2回弁済を「すべての更生債権の額が確定するとともに,更生会社が保有する全資産の換価回収が完了し,その時点での現預金から共益債権などを控除した残額につき実施する。」(計画案10頁)とされている。

(2) この更生計画案をみる限り,破産手続よりも,更生手続による弁済の方が1%以上多くなされるように見える。また2回目以降の弁済も更生手続であるからこそなされるように見える。
また,武富士のホームページには,「今後の更生手続に関するQ&A」として「破産手続に移った場合には,更生計画案記載の弁済額よりは少ない配当になると想定されています。破産した場合の清算配当率は1.92%になると想定されています。」と,破産手続よりも更生手続の方が債権者に有利であるように記載されている。

しかし,後述のとおり,債権者の弁済率は更生手続によるか破産手続によるかで差異がでるものではない。

(3) 更生手続における弁済原資は,更生会社の作成する「アクションプログラム」によると,メリルリンチ訴訟290億円,旧役員への損害賠償請求22億円,税金更生請求2300億円,株配当金返還請求130億円を充てるものとされている。そして,更生手続第2回弁済の弁済率は1%から20%とされている。
しかし,破産手続においても,仮に上述の合計2742億円が回収されれば,それを原資とする配当がなされるのである。 破産手続によっても1%から20%の範囲内で配当がなされる可能性がある。
また,破産手続においてもいわゆる中間配当を行うことは可能であり,破産手続による弁済が一回と確定しているわけでもない。

(4) すなわち,更生計画案における,「破産の場合の弁済率1.92%」,「更生手続における配当率3.3%(および第二回弁済)」という記載は,手続の違いによって生じる差ではなく,更生手続であるから高い配当がなされるとの更生計画案の記載は事実に反する。
そもそも,本更生手続は,当初310億円の買収価格を提示したスポンサーを除外し,約30億円も廉価な買収価格を提示したスポンサーに債権を売却することを前提としており,更生手続全体が債権者の利益を害する可能性がある。
また,破産手続であれば,申立代理人ではない中立の第三者である破産管財人により,役員に対する責任追及は厳格に行われる。これにより役員損害賠償請求金額が増加し,破産手続の方が配当率が高くなる可能性も否定できない。

3 会社更生法第199条2項4号に反するおそれがある。

会社更生法199条2項は,可決された更生計画案の認可の条件として同4号に「更生計画の決議が誠実かつ公正な方法でされたこと」を要件とする。
更生債権者及びその関係者からの書面投票に関する問い合わせに対し,更生計画案のような「更生手続の方が破産手続よりも債権者に有利である」という申立会社の希望的推測を伝え,これにより債権者が誤った判断による決議をした場合,本更生計画は同号の要件を欠き,不認可決定されるべきものである。このため,債権者からの問い合わせには,客観的な事実だけを回答するよう,管財人及び更生会社を指導されることを強く要望するものである。

以上

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