武富士の責任を追及する全国会議

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札幌弁護団:意見陳述

札幌弁護団:意見陳述

平成24年(ワ)第520号 損害賠償請求事件
原告      外71名
被告 武井健晃 外2名

意見陳述

平成24年9月13日

札幌地方裁判所民事第3部合議係 御中

頭書事件の第1回口頭弁論期日にあたり、原告ら訴訟代理人弁護士を代表して、下記のとおり意見を述べる。

上記原告ら訴訟代理人
弁護士  山崎 俊彦


1、本件は、大手サラ金業者の武富士の元経営者である被告らが、日常的に利息制限法や旧貸金業規制法を遵守してこなかったばかりか、司法判断にもとづく過払金返還問題を放置し、様々な社会問題を起こすという、誤った経営判断を続けた結果、武富士を倒産させて莫大な被害を発生させたことに対する責任追及訴訟である。

2、武富士は、平成2年1月12日の旧貸金業規制法の厳格な適用を求めた最高裁判決以前からも、まともに同法43条のみなし弁済の主張をしてこなかった。
過払債権者から過払金請求訴訟を提起された際には、答弁書において「みなし弁済の主張をする」と主張することがあっても、それ以上の具体的な主張や立証をしてこなかった。
上記の最高裁判決もあって、武富士は、みなし弁済の主張が認められる余地がなくなったことを自覚し、形だけ「みなし弁済の主張をする」と答弁するだけで、本気でこれを争わなかったのである。
当然、みなし弁済を認める判決が出されることはなく、武富士は、最終的に法定利率計算による和解に応じたり、提訴前の訴外示談をしていた。われわれが知る限り、武富士のみなし弁済を認めた判決は皆無であった。
ただ、武富士は、弁護士介入事案においてだけは、それが未払い事案であれ、過払い事案であれ、法定利率計算にもとづいた適法な処理をしていた。
それは、武富士ひいて被告ら経営陣が、司法の場でもうみなし弁済の主張はできず、介入弁護士とは、その正しい司法判断にもとづく利息制限法に則った正しい計算をしなければならないと悟ったからであった。
このように、司法の場でみなし弁済の主張が通らないことを知り、まともにみなし弁済の主張をしてこなかった以上、武富士の貸金取引に、「万一みなし弁済の主張が通るかも知れない。判決をみるまで分らない」という意味での“グレーゾーン”は存在しなかった。

3、しかし、この司法判断にもとづいた処理は、弁護士介入事案の限りに行われたに過ぎなかった。
武富士は、日常の取引では、この司法判断を無視し、蔑ろにして利息制限法を順守しない高額な約定利息を取り続けていた。
その理由は、弁護士介入によって法定利率に引き直し計算を強いられた案件が全取引のうちの僅かな数でしかなかったし、その限りにおいて金銭を返還すれば良かった。
その余の弁護士介入がない多数の取引で、旧貸金業規制法やこれについての裁判所の司法判断を知らない素人から、これに反した法外な利息を得ることによって法外な利益を得ることができたからである。
こうして、武富士は、司法判断を無視し、蔑ろにする経営方針をとり、事業を拡大させていったのである。
それは、全取引について弁護士介入があることを予定しない危い経営であったことは、後日の倒産した事実が証明していた。
しかも、武富士は、誤って受領していた約定利息名目の、過払金となるべき金銭を、将来の弁護士介入に備えて社内留保することなく、これが確定した営業利益として扱い、社内で勝手に費消してしまっていた。
この司法判断の無視、司法判断を蔑ろにした取引実態と司法判断に反する社内債権管理体制によった経営は、全く被告らによる営利目的の経営判断にもとづいていた。
そのため、武富士は、他のサラ金業者にも増して莫大な営業利益を手にすることができ、株式上場を果たすことができていた。
しかし、それが確固たる司法判断に反した結果のうつろな営業利益であったため、後日に過払い請求が相次ぐ事態に陥ると、返還のための手持資金不足を理由に会社を倒産に至らせ、救済を裁判所に求めざるを得なくなった。

4、武富士が倒産した真の理由は、このように、みなし弁済が司法の場で通用しないことを承知していながら、弁護士介入事案だけに限って法定利息計算による処理をするという司法無視、司法判断を蔑ろにする日常的経営方針をとり、この法理を知らない素人の顧客を騙して、違法な約定利息を取り続け、それを営業利益として費消させてしまい、後日の弁護士介入時の返済用として社内留保させてこなかったことにあった。

5、一方、利息制限法は年利15~18%の利息を認めていたが、商法規定の利息は年6%であり、民法のそれは年5%であった。
世上、銀行の貸出し金利は年3~4%で、預金金利が0.01%であった。それなのに、武富士には、年15~18%もの高率の利息収入が認められていたのである。
それによる莫大な利益を認められていながら、武富士を敢えて倒産させてしまったのは、被告らに明らかな経営判断の誤りがあったとみざるを得なかった。

6、かかる確固たる司法判断の無視、内部管理体制構築義務違反、誤った債権管理を続けた結果、武富士は空前の利益を挙げ、東証一部上場を果たし、役員であった被告らは過払金として返還すべき金銭を含む法外な報酬を得ていたのである。
他方、原告らは、本来支払う必要がない約定利息の支払いを求められ、自らの生活を犠牲にしてその返済を続けさせられてきて、その結果、武富士が倒産した現在、自らが支払った筈の過払金の返還を受けられない状態に置かれている。

7、本件は、このような被告らの司法判断の無視、司法判断を蔑ろにした放漫経営、違法経営によって泣かされた原告らによる、違法な利益を得た被告らに対する、自分のお金を取り戻す意味をも有する訴訟である。
御庁におかれて、これまで多数出され積み重ねられてきた確固たる司法判断を無視し、蔑ろにして武富士の経営を続けてきた被告らに対して、改めて厳正な司法判断を示して戴きたいのである。

以上

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