武富士の責任を追及する全国会議

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即時抗告理由補充書 変更決定

即時抗告理由補充書 変更決定

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

即時抗告理由補充書

平成23年12月30日

東京高等裁判所 御中

抗告人ら訴訟代理人
弁護士  及 川 智 志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
相手方 更生会社株式会社武富士
管財人 小 畑 英 一

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、同裁判所が平成23年10月31日にした認可決定に対し、抗告人らは即時抗告の理由として、以下のとおり補充する。

1 「やむを得ない事由」を欠く更生計画変更

平成23年12月28日、更生会社は、スポンサーをA&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という。)からJトラスト株式会社(以下、「Jトラスト」という。)に変更するとの発表をした。
その理由は、A&P社が分割対価の払い込みをしなかったため、とのことである。

これは、更生計画認可後の更生計画の変更(以下、「本件更生計画の変更」という。)であるから、「やむを得ない事由」を要件とする(会社更生法233条1項)。
やむを得ない事由とは、原計画認可後に生じた事由であって、原計画認可時に予想し得なかった事情をいう(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)333頁)。

しかしながら、A&P社については、以下のような事情に基づき、原計画認可時(平成23年10月31日時点)において、分割対価の払い込みができないことが予想されていた。

すなわち、①A&P社が日本では全く実績のない、韓国の高利貸金業者であったこと、②A&P社の主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性が不明であったこと、③A&P社の親会社たる「J&K・CAPITAL株式会社」(以下、「J&K社」という。)が、資本金5000万円、発行済株式1000株、株式譲渡制限があるいわゆる閉鎖会社で、平成16年2月13日設立の新興企業であったこと、④J&K社、A&P社、それらグループ企業の中核である「総合商社山潤株式会社」(名古屋市内においてパチンコ店や焼肉店などを経営する会社)、それらグループ企業のオーナーである山本潤(崔潤)氏について、資金力、経営能力などが全く不明であったこと、⑤A&P社に関しては、金融会社買収過程で買収額!を水増しし、会社資金を不正流用した疑いで家宅捜索を受けた(平成22年4月29日付け朝鮮日報)、実際に無利息で貸付を行なう期間が5~15日であるにもかかわらず、「30日間・40日間無利息キャンペ-ン」と広告に記載し、消費者の誤解を招いたために、虚偽・誇大広告として摘発され、是正命令と課徴金を課された(平成19年12月14日付け朝鮮日報)などとの報道がなされており、行政処分を受けることが予期されたことなどから、A&P社が約282億円もの分割対価を準備できる経済的能力がないということは、原計画認可時に予想されていたのである。

実際、A&P社は、違法高金利貸付により韓国において業務停止の行政処分を受ける見通しとなったため、分割対価を支払うことができなくなったのであるが、それは、原計画認可時において予想できたことが明らかである。
本件一件記録からも明らかなように、そうした懸念は、更生債権者からも再三指摘されていた。
管財人と東京地裁は、その懸念の声を無視して、平成23年10月31日、本件更生計画を認可したのである。

よって、A&P社が分割対価の払い込みができなくなることは原計画認可時(平成23年10月31日時点)において明らかであったのであるから、「やむを得ない事由」の要件を欠き、本件更生計画の変更は許されない。

2 不利益変更の手続を欠くこと

更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更の申立てがあった場合には、付議決定、関係人集会の開催または書面投票などの手続が必要である(会社更生法233条2項本文)。

「不利な影響とは、権利の再減縮、弁済期の延長など原計画と比較して不利となる場合のほか、減資、合併、組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持ち、利害関係人の地位に変更を生ずるおそれがある場合も含まれる」(東京地裁会社更生実務研究会著「会社更生の実務」(下)335頁)。

本件更生計画の変更においては、会社分割対価が、原計画に記載されていた約282億円から約252億円へと減ずるのであるから、権利の再減縮がなされると考えるのが合理的である。
この点、管財人は否定しているが、合理的な説明はなされていない。
弁済期の延長もないと管財人は説明するが、当初平成23年12月中旬からとされていた弁済開始時期が平成24年1月中旬からに延期されたのであるから、91万人超もの更生債権者がいることも合わせ考えれば、弁済期の延長があると考える方が合理的である。

また、本件更生計画の変更においては、会社分割の承継会社がA&P社傘下の「アプロ社」からJトラスト傘下の「ロプロ社」に変更されるというのであるから、「組織変更、営業譲渡など、その変更が企業経営に重要な意味を持」つ点において変更があると考えるのが合理的である。

よって、本件更生計画の変更は、更生債権者等に不利な影響を及ぼすものと認められる更生計画の変更であるにもかかわらず、付議決定、関係人集会の開催または書面投票といった法定の手続を欠くことが明らかであるから、許されない。

3 法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性についての懸念

原計画の更生計画案(要旨)5頁には、以下の記載がある。
「管財人は、各候補者から提出をうけた入札書につき、支援金額、承継される従業員数、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性等の入札内容を、裁判所、調査委員および監督官庁の意見も踏まえて総合配慮し、平成23年4月27日、裁判所の許可を得て、(中略)A&P社をスポンサーに選定した」

また、本件更生計画の変更により新スポンサーに選定されたJトラストに関し、平成23年4月8日付けブルームバーグは下記のとおり報道した。


金融業を手掛けるJトラストは8日、会社更生法に基づく再建を目指している武富士のスポンサー候補から撤退すると発表した。
これまで守秘義務から名乗りを上げていること自体を公表してこなかったが、候補として社名が報道されていることに配慮したという。

Jトラストは撤退理由について、選定過程で「守秘義務が順守されないなど、手続きの公平性、透明性が担保されていない可能性が非常に大きいと判断した」とのコメントを発表した。
同社が最終入札で提示したのは、価格が310億円、継承従業員は700人だったとしている。

武富士の管財人からのコメントは得られなかった。

とすれば、新スポンサーJトラストは、A&P社と比較して、法令遵守の意識・体制、事業計画の実現可能性が劣っていたということになる(支援金額でA&P社を上回り、承継される従業員数で遜色がなかったのであるから)。
こうした事実も踏まえ、本件即時抗告の可否は判断されるべきである

以 上

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