武富士の責任を追及する全国会議

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管財人解任申立書

管財人解任申立書

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富

管財人解任申立書

平成23年12月28日

東京地方裁判所民事第8部 御中

申立人ら訴訟代理人
弁護士  及川 智志

〒160-0023
東京都新宿区西新宿八丁目15番1号
更生会社株式会社武富士
管財人  小畑 英一

申立の趣旨

更生会社株式会社武富士の東京地方裁判所平成22年(ミ)第12号会社更生事件につき、管財人小畑英一を解任する。

申立の理由

第1 スポンサー変更についての責任

1 本件更生計画においては、A&P Financial Co.Ltd(以下、「A&P社」という)をスポンサーとして、書面投票の可決がなされ、裁判所の認可がなされていたが、A&P社は手付金しか払わず、結局、当初の更生計画をそのまま履行することはできなくなった。
上記スポンサー契約は、本件更生計画の要であるから、管財人としては、A&P社の履行可能性について徹底的に調査し、慎重に契約を締結すべきであった。
とくに、A&Pについては、かねて以下のような疑義が呈されていたから、管財人にはなおさら調査を徹底し慎重にスポンサー契約を締結する法的義務が負わされていたというべきである。

(1)金融会社買収過程での水増しを被疑事実とする家宅捜索との報道
朝鮮日報は、2010(平成22)年4月29日、「ソウル中央地検金融租税調査3部は28日、在日韓国人系列で韓国の消費者金融業界トップの『ラッシュ・アンド・キャッシュ』の本社と関係先を家宅捜索した」、「検察は同社が最近、複数の金融会社を買収する過程で、買収額を水増しし、会社資金を不正流用した疑いで調べている」と報道した。
仮にかかる買収過程での不正流用があったとするならば、そのような企業に対して消費者金融事業を承継させることによりわが国においても新たな問題を発生させる危険もあるとの疑義が呈されていた。

(2)虚偽、誇大広告のために是正命令が出されたとの報道
朝鮮日報は、2007(平成19)年12月14日、「公取委は12日、ラッシュ・アンド・キャッシュなど貸金業者35社の虚偽・誇大広告を摘発、このうち8社に是正命令と総額1億200万ウオン(約1200万円)の課徴金を課した」、「公取委によると、ラッシュ・アンド・キャッシュ、イエスキャピタルなど3社は、実際に無利息で貸付を行なう期間が5-15日であるにもかかわらず、『30日間・40日間無利息キャンペ-ン』と広告に記載し、消費者の誤解を招いた」と報道した。
仮にかかる虚偽広告があったとするならば、A&P社が消費者金融事業を承継し日本で消費者金融の営業を継続した場合、日本の消費者の保護にもとる事態も発生しかねないとの疑義が呈されていた。

(3)税金追徴との報道
朝鮮日報は、2004(平成16)年11月24日、国税庁が、「ハッピ-レディ-、女子クレジット、イエスキャピタルなどAPROファイナンシャルグル-プの系列3社に対し税務調査を行ない、10億ウオン程の税金を追徴した」と報道した。

(4)更生会社武富士のホームページに掲載されているA&P社の「広報基礎資料2010」についてすら、①日本語版のみであり、「APROファイナンシャルグル-プ」のホームページなどを見ても、これの原本となるハングル版が見当たらない、②左下にあるホームページアドレスは「ラッシュ&キャッシュ」のものとなっているが、アクセスもできない、③2010年版であるのに1頁目下段には「2011年4月」に武富士のスポンサーとなった旨の記述がある(そもそもこの広報資料の作成年月日が不明)、④10頁にグループ会社の構成があるところ、A&P社の親会社たる「J&K・CAPITAL株式会社」(以下、「J&K社」という。)の資本金・業種・業績・武富士の親会社となることの適格性について審査が尽くされていない疑いがある、⑤山本潤(崔潤)氏の経歴、同氏が武富士の実質オーナーとなることの適格性の審査が尽くされていない疑いがあるなど、多数の疑義が呈されていた。
J&K社は、資本金5000万円、発行済株式1000株、株式譲渡制限があるいわゆる閉鎖会社で、平成16年2月13日設立の会社である(A&Oの経営権取得が同年3月)。
このような小規模かつ新興の会社に武富士のスポンサーとなるべき実績や適格性があるのかどうか甚だ疑問である(Jトラストは平成23年3月31日現在の資本金が44億9609万円であり、なぜこうしたスポンサー選定が行われたのか疑問である)。A&P社、J&K社などの会社グループの中心に位置すると思われる「総合商社山潤株式会社」は、名古屋市内においてパチンコ店や焼肉店などを経営する会社である。
A&P社がいかなる背景を持った会社であるのか(主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性)について明らかではない。仮に、A&P社が暴力団など反社会的勢力との関係を持っているとすれば、同社に対する消費者金融事業の承継は暴力団根絶の社会的要請に反することになる。
また、仮に、A&P社が更生会社の創業者、大株主などと利害関係を持った会社であれば、同社に対する消費者金融事業の承継は、更生会社に対する債権の大部分を踏み倒される更生債権者らとの関係で公正とは言い難いことになる。
例えば、英語版Wikipediaには、ラッシュ・アンド・キャッシュの「Japanese CEO」は「ナカムラ ヒデトシ」(更生会社の創業者の義弟=亡武井保雄の妻である旧姓中村博子の弟である可能性が高い)との記載もあり、それをもとにA&P社の背景について疑問を持つ者も多いのである。Wikipediaの性質上、その記載内容に高い信憑性はないともいえるが、消費者金融事業の承継が「公正」であるため、あるいは「公正」であると世人が納得するためには、A&P社の背景(主要な株主構成、資金調達先、代表者などの属性)について調査が尽くされなければならない。

 以上のような多数の疑義が呈されていた。

2 しかし、結局、管財人は、十分な調査もなく安易にA&P社とスポンサー契約を締結し、同社の債務不履行により、予定していた債権者への弁済期日が少なくとも1か月は延期され、債権者に不安を与え、社会的混乱を惹起した。
ようやく本日になってJトラストを新たなスポンサーとして更生計画を変更したとのことであるが、会社更生計画におけるスポンサーが認可決定後に変更されるなどという極めて異例の事態を看過するわけにはいかない。
くわえて、債務不履行を引き起こしたA&P社に対する責任追及(違約罰)についても管財人がどのような処置をしたのかすら明らかではない。
こうした軽率かつ無責任な管財人は直ちに解任されるべきである。

 

第2 弁済原資を毀損した責任

当初から、Jトラストは、武富士のスポンサー候補に名乗りを上げており、最終入札では310億円の買収金額を提示した。

ところが、管財人は、理由も明示せず、282億円と廉価な入札をしたA&P社をスポンサーに選定していたのである。

結局は、Jトラストが新たなスポンサーに選定されたとのことであるが、その買収価格は252億円とのことである(武富士の発表)。

とすれば、当初からJトラストをスポンサーに選定した場合に比べて、債権者に対する弁済原資は(310億円-252億円=)58億円も減少したことになる。

管財人がこの責任を負うべきは当然である。

第3 結論

よって、裁判所は、管財人が更生会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないのであるから、小畑英一管財人を解任されたい(会社更生法68条2項)。

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