武富士の責任を追及する全国会議

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宮崎県弁護士会:武富士の更生計画案の決議に関する会長談話

宮崎県弁護士会:武富士の更生計画案の決議に関する会長談話

貸金業者大手の株式会社武富士(以下,「武富士」という。)は,平成22年9月28日に東京地裁に会社更生手続の申立てを行い,以降,東京地裁民事8部において手続が進めれている。
この会社更生手続においては,いわゆる「DIP型管財事件」,即ち,従前の経営陣側の人物を管財人に選任する方式が取られており,武富士から会社更生手続の申立ての依頼を受け,武富士の代理人となった人物が武富士の更生管財人に就任している。

DIP型の会社更生は手続を迅速・円滑に進めることができるというメリットがあることは理解できるが,しかし過払金債権者と武富士との利害が激しく対立する武富士の会社更生事件にあっては,更生管財人が債権者に過大な負担を負わせる更生計画案の提示や,武富士創業者一族の責任追及を徹底して行わない等のおそれを払拭できず,申立代理人と更生管財人とが同一人が務めることは望ましいとは言えない。
武富士の会社更生手続においては更生管財人の公平中立性が担保されていないと言わざるを得ないのである。

更に,現在武富士の更生管財人は,過払金債権者に対して,「更生計画案へのご賛同のお願い」なる書面を送付し,連日,武富士の社員や更生管財人の代理人弁護士に電話をかけさせて,更生計画案に賛同するように働きかけている。

その際に,過払金債権者に対して,「更生債権額の過半数の同意を獲得できなければ武富士は破産することとなり,その場合の弁済率は1.92%となる。」であるとか,「税金の還付請求や旧役員に対する損害賠償請求などにより原資を確保し,第2回弁済を実施する。」などと説明させて,賛同を求めている。

しかしながら,武富士の更生管財人の中立性に疑義があるという状況下では,破産の場合の配当率1.92%という数字の信憑性も十分ではないし,旧役員に対する責任追及も十分なされることは期待できない。
また,第2回弁済の実施計画についても,管財人の更生計画案では,第2回弁済計画の弁済率が1~20%と極めて幅のある数字とされているなど,その実現可能性は極めて不明確である。

このように,武富士の会社更生手続においては,更生管財人の中立性に疑義があり,これまでの説明によれば,その更生計画案の信憑性について疑念を払拭し難い。
当会会員に対するアンケート結果によれば,会員が受任して武富士に対する過払金返還請求権は,少なくとも合計251件で合計約3億6000万円もの更生債権を有しているとの調査結果が出ているし,武富士の更生計画案によると,全国で約91万件,1兆3000億円の債権届出がある。
こうした過払金債権者の権利保護が蔑ろにされることはあってはならないのである。

武富士に対する過払金債権者は,こうした点に留意し,更生管財人が提示している更生計画案に対して,慎重にその賛否を決する必要があると考えられる。

併せて,東京地方裁判所民事第8部における会社更生手続の適正を害するおそれがあるので,その運用は特に慎重にすべきである。

2011(平成23)年9月22日

宮崎県弁護士会会長 近 藤 日 出 夫

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