武富士の責任を追及する全国会議

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群馬県弁護士会:武富士の更生計画案に関する会長談話

群馬県弁護士会:武富士の更生計画案に関する会長談話

更生会社株式会社武富士管財人は,平成23年7月15日,東京地方裁判所に対して更生計画案を提出した。
そして東京地方裁判所は,同月22日付けで、同更生計画案を書面投票による決議に付すとの決定をし,投票期間を平成23年7月22日から同年10月24日までと定めた。
しかしながら,同計画案には以下に述べるとおり重大な問題点が存するものである。
従って,群馬弁護士会は,更生債権者に対し,同計画案に対し同意することについては慎重にその採否を決するように呼びかける旨の会長談話を明らかにするものである。

2 申立人代理人弁護士が管財人に就任している不当性

本件会社更生手続は,そもそも,株式会社武富士の申立人代理人であった弁護士が管財人に就任している点で大いに問題がある。
武富士の利益を図ることを職務とする申立人代理人弁護士が,そのまま管財人となり提出した本件更生計画案は,その公正性・中立性に大いに疑問があり,債権者,特に過払い債権者の権利を不当に害するものではないかとの疑念を払拭できない。
また,今後,役員等責任査定請求、旧役員らに対する損害賠償請求が予定されていることや、大株主(創業家)に対する配当の返還請求が検討されている等の点に鑑みても,本件会社更生手続きは,申立人代理人が管財人となるべき事案ではないと考える。

3 資産売却に関する公正性への疑問

前項に述べたと同じ理由から,本件手続においては,スポンサーの選定(A&P社から282億円の払い込みを予定しているとのことである)過程や,その他更生会社所有の資産について,不合理な処分がなされているのではないかとの疑念をぬぐい去ることは出来ない(現に,スポンサー候補が「手続きの公平性、透明性が担保されていない可能性が非常に大きいと判断して撤退するに至っている)。
以上のように,不透明で公正性に疑問が残る資産売却を基にした更生計画案に同意することについては,慎重な検討が必要である。

4 破産手続きとの対比に対する疑問

更生会社の試算によれば,基準日(平成23年3月31日)における清算配当率は1.92%であるとされる。
そして現在,管財人は,過払金債権者に対して,「更生計画案へのご賛同のお願い」なる文書を送付し,かつ,武富士の社員や管財人代理人弁護士に電話をかけさせて,更生計画案投票用紙の同意欄を○で囲んで投票するように呼びかけている。
しかしながら,既に述べたとおり管財人の中立性・公平性に疑念のある本件においては,上記清算配当率についてもその信憑性に疑いがあり,3.3%を超える可能性があることも指摘されているところである。
適正・合理的に資産処分をすれば,清算配当率はより高くなり,更生計画案の弁済率3.3%を超える可能性がある。
これは,武富士の社債権者らの更生計画案においてもその旨指摘があったところである。
この様に,清算価値さえ満たしていない疑念のある更生計画案に対し同意票を投じることについては,慎重な検討を要する。

なお,債権者へ送付された「更生計画案へのご賛同のお願い」と題する文書には,更生計画案が可決された場合には,第2回弁済が予定されている旨の記載があり,他方,否決された場合はこれに相当する支払いが無いかの如き記載がされている。
しかし,管財人の説明によれば,第2回弁済の原資としては,法人税の還付,旧役員に対する損害賠償請求などが含まれている。
これらは,仮に破産手続に移行しても管財人が行うことが可能であり,法人税の還付については実現可能性に疑問があり,役員の責任追及については,武富士の申立代理人であった者が適切に責任追及をなし得るのか疑念を抱かれてもやむを得ないものである。
つまり,実現可能性及びその程度に相当疑義がある第2回弁済が,更生手続では可能であるとし,他方,破産手続ではかかる権利行使による財団形成ができないかの如き誤解を与えるものであって,適切ではない。

5 武富士を更生させる社会的意義がないこと

武富士は,数々の違法営業により借主を苦しめて自殺者の多発などの惨劇を生み出してきた業者である。
サラ金被害は多年にわたり大きな社会問題とされてきたものであり,武富士は,その象徴的存在であった業者である。
武富士からの借主は,過酷な取立を恐れて,食うものも食わず,税金を滞納しても,とにかく武富士への返済だけは怠ることができないと思い,長年にわたり返済を続けてきたものである。
その結果,生じた不当利得が過払債権であり,これは借主がまさに生命を削って支払ってきた結果である。
この「命の過払金」のほとんどすべてを会社更生手続により踏み倒してまで,武富士という企業に更生させるべき価値があるのかについては,深刻な疑問がある。

6 結論

以上から,群馬弁護士会は,更生債権者に対し,同計画案に対し同意することについては慎重にその採否を決するように呼びかける旨の会長談話を明らかにするものである。

2011年(平成23)年9月15日

群馬弁護士会 会長  小渕 喜代治

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