武富士の責任を追及する全国会議

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武井俊樹氏へ私財提供を求める意見書

武井俊樹氏へ私財提供を求める意見書

平成22年(ミ)第12号 会社更生事件
更生会社 株式会社武富士

意 見 書

東京地方裁判所民事第8部 御中
管財人  小 畑 英 一  殿
調査委員 須 藤 英 章  殿

2011年6月16日

〒271-0091
千葉県松戸市本町5-9 浅野ビル3階
市民の法律事務所
電 話 047(362)5578
FAX 047(362)7038
更生債権者   ○ ○ ○ ○
代理人弁護士  及 川 智 志
(武富士の責任を追及する全国会議事務局長)

1 意見の趣旨

更生会社武富士(以下、「武富士」という。)の創業者であった亡武井保雄氏(以下、「亡保雄氏」という。)の長男・武井俊樹氏(以下、「俊樹氏」という。)は、約2000億円の贈与税の還付を受けているところ、それを原資にして、武富士から過払金の返還を受けられなくなった被害者を救済するため、管財人は、俊樹氏に対し、私財の提供を求められたい。

2 意見の理由

(1)贈与税訴訟の顛末

亡保雄氏は、生前買収したオランダ法人に自己の保有する武富士株を売却、このオランダ法人の株を当時香港に在住していた長男・俊樹氏が取得するという方法で巨額の贈与税を免れようとしたが、国税当局から1330億円の追徴課税を受けた。
この課税処分を不当として俊樹氏が提訴し、地裁で勝訴、高裁で逆転敗訴、最高裁で再逆転勝訴となった(以下、「贈与税訴訟」という)。
俊樹氏は、延滞税などを含め約1585億円を納付して上告したため、課税処分の取り消しにより、利子にあたる「還付加算金」を上乗せした計約2000億円の返還を国から受けた。

(2)俊樹氏の経歴

亡保雄氏は、武富士の創業者であり、創業時から電気通信事業法違反(盗聴)容疑で逮捕された直後の平成15年12月8日まで武富士の代表取締役を務めた。
亡保雄氏は、平成18年8月10日に死去するまで、取締役辞任後も武富士を実質支配し、実質的な取締役として、武富士の経営を左右する地位にあった。
俊樹氏は、平成7年1月に武富士に入社、平成8年6月に取締役営業統括本部長に就任、平成10年6月に常務取締役、平成12年6月に専務取締役に昇進した。
亡保雄氏は俊樹氏を武富士における自己の後継者として認め、俊樹氏もこれを了解し、社内でもいずれは俊樹氏が亡保雄氏の後継者になるものと目されていた(最高裁平成23年2月18日判決)。

しかしながら、俊樹氏は、理由は判然としないものの、平成12年12月ころ、突如として失踪し、その後、平成13年6月28日に取締役を辞任した(武富士の会社更生手続における「経営責任調査委員会」作成の平成23年5月31日付け「調査報告書」。以下、「経営責任調査委員会報告書」という)。

その後、俊樹氏は、亡保雄氏逮捕を契機として自宅に戻り、その直後の平成15年12月21日、武富士の顧問に就任、平成16年6月1日に顧問を辞任した(経営責任調査委員会報告書。なお、この間、被告俊樹は、武富士から941万円余りの顧問料を受け取っており、これは不当利得に当たると同報告書は指摘している)。

(3)過払金の性質

亡保雄氏の意思に支配された武富士は、従業員に対し、過酷なノルマを課し、武富士の従業員は、貸付ノルマを達成するためには過剰融資をし、回収ノルマを達成するためには違法・不当な取立をせざるを得ないということが、常態化していた。
そのような業務実態は、亡保雄氏が死亡した後も、全く改まることはなかった。

そのような違法な業務実態の中で、武富士の顧客らは、武富士から、返済能力を超えるほどの過剰な貸付を受け、その貸付金に対応する高利の支払を余儀なくされ、違法・不当な取立を受けることを恐れて、計算上債務を完済した後も、義務なき支払を免れることができず、その結果、武富士には、莫大な不当利得(過払金)が蓄積する結果となった。

そして、亡保雄氏は日本有数の大資産家となり、日本国内の無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借上の利息収入(それは、一部無効な利息契約に基づく、法律上の原因のない不当利得であり、本来、顧客らに返還しなければならないはずのものである。)によって獲得した巨額の富が、現在、亡保雄氏の相続人らに残されている。

こうした不正義は法治国家において決して許されるべきではない。
それは、贈与税訴訟(最高裁平成23年2月18日判決)においても、裁判長の補足意見として以下のとおり指摘されている。

「一般的な法形式で直截に本件会社株式を贈与すれば課税されるのに」

「暫定的に住所を香港に移しておくという人為的な組合せを実施すれば課税されないというのは」

「著しい不公平感を免れない。
国外に暫定的に滞在しただけといってよい日本国籍の上告人は、無償で1653億円もの莫大な経済的価値を親から承継し、しかもその経済的価値は実質的に本件会社の国内での無数の消費者を相手方とする金銭消費貸借契約上の利息収入によって稼得した巨額の富の化体したものともいえるから、適切な担税力が備わっているということもでき、我が国における富の再分配などの要請の観点からも、なおさらその感を深くする。
一般的な法感情の観点から結論だけをみる限りでは、違和感も生じないではない」。

(4)俊樹氏の責任

武富士の違法経営を陣頭指揮してきたのは、武富士の創業者・支配者であり同社の代表取締役を長く務めた亡保雄氏であり、亡保雄氏の後継者のひとりであった俊樹氏である。
とすれば、武富士の取締役として俊樹氏らの法的責任が厳しく追及されなければならない。

とくに、亡保雄氏から生前贈与を受けたにもかかわらず、贈与当時日本に住所がなかったから課税できないとした最高裁平成23年2月18日判決によって2000億円にも上る税金が還付された元専務取締役・俊樹氏が、亡保雄氏の相続に基づき、還付された血税を含めた私財をもって過払債権者らの損害を賠償する責任を負うべきは当然である。

さらにいえば、「還付加算金」だけでも約400億円に上るのであり、これをまんまと手中にするのは、まさに濡れ手に粟の所行であって、とうてい国民の理解が得られることではない。

したがって、俊樹氏は、その私財をもって武富士被害者の損害を償うべきである。

よって、意見の趣旨のとおり求める。

以 上

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